今作のジャケットを見て、思わず「えっ?Beyonce!?」と間違いそうになったMariah Careyのオリジナル・アルバムとしては10枚目にあたる最新作『The Emancipation Of Mimi』を紹介。最初にこんな事を言うのもなんですが・・・これ、今までのMariah Carey作品の中で最高傑作じゃないですか?"捨て曲ナシ"ってこのアルバムの事ですか?初期のお嬢様系Mariah Careyが好きな人にはどうか分からないけど、HIP HOP勢と絡み出したりR&Bを歌うようになってからのMariah CareyがOKな人にはお世辞とかヨイショは全くなしで、真剣に必聴アルバムだと断言します。
まず目を引くのはMariah Careyと昔から関わりの深いJermaine Dupriが手掛けた曲。彼は今回So So Defに所属する才能あるシンガー・ソングライターJohnta Austinとタッグを組み、"ダッチョウーダッチョウー♪"と口ずさむJermaine Dupriのフレーズが耳から離れなくなるチャートの方も好調な先行シングル『It's Like That』、2ndカットに抜擢されかなり好調な動きをしてる美しいミッド・ナンバー『We Belong Together』、しゃがれたウィスパー・ヴォイスを駆使しながら早口歌唱を披露する『Shake It Off』、Jermaine DupriがNellyを意識したようなラップで参加したアップ『Get Your Number』(Bryan-Michael Coxも関与)など、渾身の楽曲を提供。
その他では、過ぎ去った恋について切なく歌うJames Poyser提供の美バラード『Mine Again』、Mariah Carey自身が手掛けるただただ聴き入るばかりの正統派ミッド『Circles』、Mariahならではの美しいハイトーン・ヴォイスが味わえる『Your Girl』、今が旬のプロデューサーKanye Westがプロデュースを担当した流麗なナンバー『Stay The Night』、Twistaがマシンガン・ラップをぶっ放す『One And Only』、The NepyunesプロデュースSnoop Dogg客演という豪華で心地いいグルーヴに包まれる『Say Somethin'』、同じくこちらもThe Neptunesがプロデュースした『To The Floor』(Nelly客演)、ほどよくジャジーなLive仕立ての『I Wish You Knew』、純美な世界に引き込まれるスロウジャム『Joy Ride』、ジャジーな香り漂う清美なナンバー『Fly Like A Bird』と、ハート直撃の極上の楽曲がこれでもかといわんばかりに収録されています。
あと国内盤に収録されているボーナストラックも、ボーナストラックにしておくのが惜しいくらいの出来で、可愛らしいトラックにのせ"Mariah節"を炸裂させる『Sprung』、Swizz Beatzがプロデュースしたダンス・チューン『SecretLove』の2曲を収録。
とにかく曲単位で聴いても非常にレベルの高い楽曲が揃ってるし、何よりもアルバム全体の統一性が素晴らしすぎです。こんな素敵な作品を届けてくれたMariah Careyに感謝。