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1stアルバム『True To Myself』、2ndアルバム『A Day In The Life』と確実にヒットを放ってきた自作自演のできる才能ある男性シンガー、Eric Benet待望の3rdアルバム『Hurricane』について。前作から6年という長い期間を経て新作を発表したEric Benetですが、その間にはセックス中毒だという噂があったり、アカデミー賞受賞女優であるHalle Berryと離婚をしたりと、本業のシンガーとしての活動よりもスキャンダルの面で大忙しだったように思います。そんな彼が放つ今作ですが、内容の方はいいような悪いような複雑な心境になるアルバムに仕上がっています。

1st『True To Myself』が"ニュー・クラシック・ソウル"なアルバムで、2nd『A Day In The Life』が当時の現行シーンを意識した作品だとしたら、今作はアコースティック・ギターを多用した"グレーなアルバム"といった感じでしょうか。黒さが衰退しているのには正直ビックリしましたが、楽曲の出来としてはなかなか素晴らしいものもちらほら。

個人的に心惹かれた曲を紹介していくと、心地いいギター演奏とハンドクラップに合わせ伸びやかに歌う『Be Myself Again』、Ericの昇天必至の美ファルセットが気分よく酔わせてくれるDavid Fosterプロデュースの壮大なバラード『Hurricane』、やさしく囁くかのように歌う美バラード『Pretty Baby』(James Poyserがキーボードを担当)、サックスやアコギなどの生楽器をふんだんに取り入れた情熱的なナンバー『Where Does The Love Go』、情感たっぷりに歌い上げる哀愁系『My Prayer』&『Man Enough To Cry』、心地いいアコースティックな世界に吸い込まれそうになる『India』、David Foster作のジャジーな空気に包まれる品のあるナンバー『The Last Time』、ピアノの悲しげな音色をバックに一言一言丁寧に歌い紡ぐしなやかなで琴線に触れるWalter Afanasieffプロデュースの極上バラード『Cracks Of My Broken Heart』、しっとり包容力たっぷりに歌うムーディーな楽曲『I Wanna Be Loved』、繊細に鳴るピアノが印象的なスロウ『Still With You』などなど。

壮大すぎるバラードを作ることで有名なDavid Fosterが5曲もプロデュースしているので、彼の作風が好きか嫌いかで評価の分かれるアルバムだと思います。個人的に彼の作る楽曲はあまり好きではないのですが、胸をうつ曲もいくつかありました。購入を考えている人は事前に試聴することをおすすめします。

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