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1996年、妖艶な歌姫Aaliyahの2ndアルバム『One In A Million』やGinuwineの1stアルバム『Ginuwine...The Bachelor』に大抜擢され、USの音楽界に"変態ビート"旋風を巻き起こしたラッパー兼プロデューサーTimbalandのソロ1stアルバム『Tim's Bio』について。初めて彼のサウンドを聴いたときはおもわず拒否反応を示してしまったんだけど、繰り返し聴いてるうちにいつの間にか虜に。今では大好きなプロデューサーの一人であります。彼は相棒Magooとタッグを組んで3枚のアルバムを発表しているのですが、ソロ名義のアルバムは本作が初になります。

本作を大きく分けると前半がラップもの中心で、後半は歌もの中心のバランスのとれたアルバムになっています。まずはラップ・ゾーンから。スパイダーマンのテーマソングを大胆に使用した奇天烈かつ病みつき度MAXな『Here We Come』、ティンバ・ビートにNasの存在感のあるラップがのる『To My』、Timbalandの力がぬけるようなボソボソとした鼻歌?がおもしろい『Wit' Yo' Bad Self』、Jay-Zが個性的なビートに負けないさすがのラップを披露する『Lobster & Scrimp』、宇多田ヒカルも口ずさんでいた"チキチキアー♪"も飛び出る、Mochaが主導権を握りぐいぐい引っ張る『What Cha Know About This』、機械処理したようなマヌケな声がおもしろい『What Cha Talkin' About』、インパクト大なLudacrisと個性的なティンバ・ビートという間違いない組み合わせ『Fat Rabbit』、Twistaがおなじみのマシンガン・ラップで一気に駆けぬける『Who Am I』、摩訶不思議なファンクネスにやられること確実のTroy Mitchell『Bringin' It』など。

歌ものは、Kelly Priceの凄みのきいたボーカルにMissy Elliottの援護射撃がキマる『Talking On The Phone』、静かにチキるティンバ・ビートにGinuwineの潤いを含んだしなやかな歌がのる怪しくも心地いいメロウ・チューン『Keep It Real』、歌姫Aaliyahの囁くような繊細なボーカルにノックアウトを余儀なくされるこちらも要チェック曲『John Blaze』(Missy Elliott客演)、男性3人組PlayaがTimbalandの作り出す音と絶妙の相性を魅せつける深みのあるナンバー『Birthday』、変態さと哀愁が同居した不思議な魅力をもったビートをバックにVirginia Williamsが表現力豊かに歌い上げる『In The Morning』など、多彩なゲストがTimbalandワールドで暴れる悶絶必至の1枚に仕上がっています。

これはマジでヤバい。前半のラップ・ゾーンもいいけど、後半の歌ものゾーンはさらにヤバいです。あまりの気持ちよさにふと我に返ると白目むいて放心状態に…なんてことも十分ありえる危険なアルバムですね。

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