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由緒正しいゴスペル一家Winansファミリーの一員であるプロデューサー兼シンガー・ソングライターMario Winansのデビュー・アルバム『Story Of My Heart』について。現在はDiddy率いるBad Boyに所属し活躍している彼ですが、当時はDallas AustinのD.A.R.P.に所属していました。2ndアルバム『Hurt No More』を出すまでの間、シンガーとしてよりもプロデューサーとしての活動が多かったMario。空白の7年間はプロデューサー業があまりにも肌に合っていたせいか、本当にシンガーとして活動したいか自問自答していたらしいです。

そんな彼がMOTOWNから放った本作。Marioさん…あなたは歌い続けるべきですよ。楽曲のプロデュース&ソングライトは全てMario本人。シングルは、優雅であたたかいメロウネスに満ち溢れた陶酔率100%の『Don't Know』がそうでしたね。TrackmastersプロデュースでラッパーMaseが客演しスムージーなアップに変化した『Don't Know(REMIX)』もいい感じでした。

アルバム曲もみていきます。歌とトラックが織り成す豊潤な音世界に吸い込まれそうになる『Prayerlude』で幕が開き、The Isley Brothers"Make Me Say It Againe"をサンプリングした悶絶級に心地いいミッド・ナンバー『Every Now And Then』、ギターと水滴音が絶妙に絡み合うしなやかなトラックにMarioの夢心地なボーカルがのる極上メロウ曲『Stay With Me』、幻想的な中に僅かにブルージーさを忍ばせた『Arouse Me』、しっとり包み込むように歌うどこか哀愁を帯びた美曲『Love Man』、甘美なコーラスが別世界へといざなってくれるミッド『You Never Know』、歌、トラックともに寂しさを纏った感じの『Come Back Home』、HIP HOP寄りのビートも難なく乗りこなしてみせる『My Sweetheart』、思わず体が反応してしまう軽快で明るいダンス・チューン『It's All Good』、彼の甘酸っぱい歌声が活きた美麗なミッド『Don't Take Your Love Away』、メランコリックな雰囲気漂う『One Last Chance』、ギターが奏でる切ないメロディが胸に染み入る『Love Is In The Air』、泣き節が炸裂する『Loving Arms』、そしてボーナストラック『Take My Breath Away』と、捨て曲一切なしの傑作に仕上がっています。

97年の作品だけど今聴いても全然OKというか、歌魂のある作品が少なくなった今だからこそ聴きたい1枚って感じですね。珠玉の楽曲がぎっしりと詰まった最高に酔えるアルバムでした。

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