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アメリカ、いや世界のポップアイコンとして常に時代をリードし続けるアーティストJanet Jacksonの9thアルバム『20 Y.O.[Deluxe Edition]』について。本作のタイトル"20 Years Old"にはJanetがJam & Lewisとチームを組み伝説の道を歩みだした大ヒット・アルバム『Control』から20年という大きな意味があります。そんな記念すべき作品に新たに招かれたのは、JanetのプライベートのパートナーでもありヒットメイカーのJermaine Dupri。彼が加わることによりどうなったかはあとで語るとして、もうひとつの目玉は年末にアルバム・リリースを控えている才能あるシンガー・ソングライターJohnta Austinもガッツリ参加しているということ。さてどんな内容になっているのか…

まずはシングル曲。都会の夜を連想させるようなしっとりキラキラしたトラック上で人気ラッパーNellyと愛を囁き合う説明不要のヒット曲『Call On Me』、イントロからいきなりHerbie Hancock"Rock It"がとび出す、古き良き時代のサウンドをうまくブレンドした斬新なダンス・チューン『So Excited』(Khia客演)、ストリングスが幻想的に響き渡る甘美で優雅なトラックにJam & Lewisならではの美しいメロディがのる極上スロウジャム『With U』と、アップありスロウありのなかなかバランスのいいカットの仕方でしたね。

お次はアルバム曲。透明感のあるウィスパー・ヴォイスが売りのJanetがオリエンタルなトラックに乗せ地声に近い声でラップを披露する意欲的な1曲『Show Me』、アラビアンなテイストを注入したHIP HOP寄りのエレクトロ・ビートを従えJanetがいろんな表情を見せる『Get It Out Me』、自身のヒット曲"I Get Lonely"のイントロからなだれ込むソウルフルでバウンシーなナンバー『Do It 2 Me』、うねるギターや地を這うようなビートが重く響き渡るJanet流"HIP HOP ROCK"『This Body』、Jam & LewisとJohnta Austinという夢のようなタッグが制作した"Escapade"の現代版といった感じの『Daybreak』、後半の子供たちのコーラスも手伝ってか聴く者全てを幸せな気分にさせてくれる『Enjoy』、Janetの艶美な魅力を存分に味わえる大人のスロウジャム『Take Care』、吐息まじりのウィスパー歌唱が別世界へといざなってくれる『Love 2 Love』、そして上質なボーナス・トラック『Roll Witchu』&『Days Go By』と、20年の節目に相応しいとってもアーティスティックな1枚に仕上がっています。

なお、このDeluxe EditionにはDVDが付属していて、フォト・シュートやレコーディング映像、ダンサー・オーディションの模様、『Call On Me』のPVメイキングなどが収録されています。

当初JDが参加すると聞いて、JanetとJam & Lewisの黄金トライアングルならではの世界に不協和音が生じるのではないかと不安な気持ちでいっぱいでした。しかしアルバムを聴いてその不安は解消されました。JDが加わったことで今までにないHIP HOPなフレイバーが絶妙にプラスされ、音に幅が出たように思います。俺の予想をいい方向に裏切ってくれてすごく嬉しいですね。Jam & Lewis直産の楽曲を紡ぐインタールード群も最高に美しいものばかりで大満足。まだまだ進化するであろうJanetに置いてけぼりをくらわないよう、これからも必死に喰らい付いて行こうと心に誓う管理人でした。

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