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ブルージーでソウルフルな歌声を持つ、男性R&B/SOULシンガーAnthony Hamiltonの幻の1stアルバム『XTC』について。Jermaine Dupri率いるレーベルSo So Defから2枚のアルバムを発表するなど、今となっては順調に活動してる印象のあるAnthonyですが、そこにたどり着くまでは結構苦難の連続で…。1993年にAndre Harrell率いるUP TOWNと契約し本作『XTC』をリリースする予定でしたが、UP TOWNの閉鎖、親会社のMCAも消滅と不運が重なり已むなくお蔵入りに。

本作を聴いたことがある人はわかると思うけど、これがかなりの名盤なんですよね。俺が持ってるのはCD-Rなんで詳しいクレジットなどはわかりませんが、軽くレビューを書いてみようと思います。本当に素晴らしい曲だらけで困ッチングって感じなんだけど、中でも白眉なのが3曲目『You're My Type Of Woman』。ほどよくジャジーでほどよくグルーヴィ…簡単に例えるならMary J. Blige"Mary Jane"をよりファンキーにした感じといったら伝わりやすいかな。これはマジやばいです。

あとサントラ「New York Undercover」にも収録されていたTerri Robinsonとのデュエット・ナンバー『I Will Go』も最高。Joe Sampleの名曲"In My Wildest Dreams"をモロ使いしていて、極上という名の別世界へ有無を問うことなくいざなわれます。

この2曲があるだけで最高なんだけど、他もお世辞抜きで素晴らしく、深く沈みこむ重量感のあるビート上を女性コーラスを従えながら歌い進んでいくオープニング・ナンバー『Total XTC』、ブルージーな味わいをもつザラついたトラックがAnthonyの歌声ととてもよく合う『I Wanna Be With You』、ファンクしてる生楽器演奏が聴く者の心を躍らすアップ・ナンバー『Nobody Eles』、スネアドラムが刻むリズムにしっとり美しい女性コーラス、そしてAnthonyの鬼ソウルフルなヴォーカルと全てが心地よい極上ミッド『Spend Some Time』、おなじみのブルージー・ヴォイスでひんやりムーディーなトラックを歌い乗りこなす濃密メロウ『Fallin'』、存在感抜群のヴォーカルにドラムやストリングス、鍵盤打楽器などの音色が寄り添う夜系ナンバー『Forgive Me』、男の渋さというか哀愁が痛いほど醸し出てる『It's Only You』、そしてじわじわ侵食するように効いてくる『Special Kinda Love』&『In The Mood』と、日の目を見なかったのが残念でならない傑作になっています。

嘘、大袈裟一切抜きで本当にいい内容になってますね。運が無かったといえばそれまでだけど、これは今出しても高評価を得るだろうに惜しいなぁ。