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Swizz Beatzが立ち上げたレーベルFull Surfaceの看板ラッパーCassidyの3rdアルバム『B.A.R.S. The Barry Adrian Reese Story』について。Cassidyといえばアイタタタな一件でお勤めに出たり、自動車事故で生死の境をさまようなど、最近は暗い話題が多かったですよね。そんな波乱万丈な彼が復活をアピールするかのようにリリースした本作。

これが侮ることの出来ない充実した内容になってるんですよ。リード曲だった『My Drink N' My 2 Step』からして◎でしたよね。プロデュースはもちろんSwizz Beatzで、Swizzらしい硬質で躍動感あるビートに歌心溢れるキャッチーなフック…最高でございます。

本作のエグゼクティヴ・プロデューサーも務めているSwizzは全14曲中4曲のプロデュースを担当して、Mark Morrison"Innocent Man"をサンプリングした鬼メロディアスな歌モノ『Innocent』、レディ・ソウル界の姉御Angie Stoneが味のあるビターな歌で援護するドラマティックなナンバー『Leanin' On The Lord』、Swizz Beatzの奥方Mashondaのキュートな歌声が彩を添える『Take A Trip』と、歌モノを中心に良曲ばかりを提供。

その他で白眉なのは、Jay-ZやLL Cool J作品なども手掛けるBink!がプロデュースした『Damn I Miss The Game』。Marvin Gaye"I Wanna Be Where You Are"を使ってる時点でもうねぇ。男性R&BシンガーRellもいい仕事してます。そしてこの曲がツボな人は『Done 4 Me』もいけるはず。以上2曲は煌びやか&ソウルフルな曲が好きな人は要チェックですよ。

あとHi-TekプロデュースでBone Thugs-N-HarmonyとEveが客演した『Cash Rulez』も高速ラップ炸裂のドラッギー・チューンでいいし、John Legendの甘しゃがれヴォーカルが哀愁をプラスする『Celebrate』もいいですね。これら以外も、Neo Da Matrixプロデュースの豪快で臨場感溢れるトラックがいい『Where My N****z At』、バック・ヴォーカル陣が歌うフックが軽くラテン風味な『I Will Never Tell(Uh Uh)』、LarsinyのShiz Lanskyをフィーチャーした『I Pray』、Swizz Beatzがプロデューサーとしてでなくラッパーとして参戦した『I Get My Paper』、そしてCassidy自身が手掛けたThe Dramatics"Me, Myself and I"使いのソウルフル曲『All By Myself』で〆と、HIP HOPファンのみならずR&B/SOULファンをも魅了する1枚に仕上がっています。

アルバムを聴くまではSwizzらしいアゲアゲ曲が多くあるのかなと思ってたけど、いい方向に裏切ってくれましたね。9曲目から10曲目の流れなんて最高すぎですよ。

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