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本場アメリカに退けをとらないHIP HOP/R&B色を強く打ち出した路線で、日本の音楽シーンを引率する女性シンガー安室奈美恵の4thアルバム『GENIUS 2000』について。前回レビューした5thアルバム『break the rules』と本作は同じようなコンセプトで作られていて、どちらのアルバムも当時の安室のブレーンであった小室哲哉と、TLCやMonica作品などでおなじみのDallas Austinが約半分ずつ手掛けています。でも完成度はこちらの方が高いのではないかと。

まずはDallas Austinがプロデュースした楽曲からなんだけど、これがどれもなかなかハイクオリティなものばかりなんですよね。ていうか捨て曲は1曲も見当たりません。T-Bozに挑戦状をたたきつけるような安室の低音ヴォーカルが◎などっしりとしたナンバー『LEAVIN' for LAS VEGAS』、安室の気合いの入った英語詞ラップが味わえるヒット済シングル曲『SOMETHING 'BOUT THE KISS』、TLC『3D』に通じるようなフューチャリスティックなトラックにキャッチーなメロディが乗る『STILL IN LOVE』、木漏れ日のようなやさしさや温もりに包まれる美しいバラード『THINGS I COLLECTED』、そして「COOL!」としか表現しようのない『NEXT TO YOU』と、US顔負けの本気モード入った5曲を提供しています。

大袈裟抜きでここでのDallasはおそろしく気合い入ってますよね。特に『LEAVIN' for LAS VEGAS』と『NEXT TO YOU』は最高すぎてぶっ倒れそうなほど。しかもですよ、Debra KillingsにJasper Cameron(J. Holiday、Mario、Sammie作品)も関与。最高&豪華極まりないですね。

一方の小室もSheila Eを招くなどしてDallasに対抗していて、メッセージ性の強い詞が話題を呼んだ前傾姿勢のダンス・チューン『LOVE 2000』、小室曲の中でも比較的人気の高い『RESPECT the POWER OF LOVE』、小室が夢にうなされるほど悩んで作ったという産休明け復帰シングル曲『I HAVE NEVER SEEN』、Jennifer Lopezのようなラテン調のダンス・チューンでSheila Eがバック・ヴォーカルでも奮闘してる力作…なんだけど、残念ながらダサダサな駄作『MI CORAZON(TE' AMOUR)』、小室ファミリー総動員で歌った曲の安室ソロ・バージョンで、USから男性R&BグループImajinを招き入れたことにより曲の厚みが2倍も3倍も増した『YOU ARE THE ONE』、ヴォーカルにエフェクトをかけた『KISS-AND-RIDE』、作詞NICOとなってるけどこれは多分安室の別名義だと噂の『ASKING WHY』、ゆったりとした『GIVE IT A TRY』と、『MI CORAZON(TE' AMOUR)』のような捨て曲はあるけど頑張っています。

まあ小室曲に関しては出来のいいもの悪いものの差が激しいけど、Dallas曲に関しては全くもって問題なし。今更だけど『LEAVIN' for LAS VEGAS』か『NEXT TO YOU』あたりシングルにしてたらなぁ…なんて。

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