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すぐれた才知と美しいルックスを合わせ持つ、まさに才色兼備な女性シンガー・ソングライターAlicia Keysのオリジナル・アルバム3枚目『As I Am』について。R&B、SOUL、ROCK、JAZZ、POPS、CLASSICなど、様々な音楽を自己流に取り入れ聴かせるAlicia。そんな彼女がLIVEアルバム『Unplugged』後にはなつ本作は、終始魅せられっぱなしの1枚に仕上がっています。

というのも俺にとってこれまでの2作というのは、どちらも良く出来たアルバムだとは思うんだけど、最後までダレずに聴けるかというと疑問が過ぎるものでした。しかし今回は違う。中だるみすることなく最後までじっくり堪能することができるんですよね。その一因かどうかわからないけど、まず驚かされたのがAliciaのヴォーカル。なんかよりハスキーになってませんか?初めて聴いたときビックリしたんですけど。でもそれはマイナスには作用しておらず、どの曲もいい感じの渋みが出てるように思います。

なかでも顕著に現れているのは、Marsha Ambrosiusが関与した『Go Ahead』や『Wreckless Love』、Linda Perryが手を貸した『The Thing About Love』&『Sure Looks Good To Me』あたりでしょうか。後者2曲はそこいらのシンガーが歌うと普通のROCKバラードになりそうなんだけど、Aliciaが歌うと"ジャンルAlicia Keys"なソウルフル曲になってしまうという不思議。誰と組もうが存在感を失わないのはAliciaの凄さのひとつですよね。

他も、ピアノを主とした精美なバックサウンドにAliciaのハスキーでエモーショナルなヴォーカルが乗る『No One』、溢れ出る思いをしっとりかつ情感たっぷりに歌い上げる美バラード『Like You'll Never See Me Again』などの先行曲を筆頭に、本作のサウンドの特徴であるヴィンテージもののキーボードの音色が楽曲全体をやさしく包み込む『Superwoman』(Linda Perry関与)、グラミー・アーティストでもある人気シンガー・ソングライターJohn Mayerとタッグを組んだ『Lesson Learned』、古き良き時代のソウル・ミュージックを聴いてるような気分にさせられる『Teenage Love Affair』、どっしりとしたドラムの音で幕が開く『I Need You』、REGGAE調のリズムがとっても心地いい『Where Do We Go From Here』、雲の切れ間から差し込む一筋の光のような『Tell You Something(Nana's Reprise)』と、不必要な曲など一切見当たりません。

そして本作には初回盤限定でボーナスCDが付属していて、なんとプロデューサーにSwizz Beatzが名を連ねたジャジーHIP HOPなアゲ曲『Waiting For Your Love』(Sean Garrettも関与)、Eaglesを語る上で欠かせない存在である女性シンガーLinda Ronstadtの名曲カバーに挑んだ『Hurt So Bad』(プロデュースはAlicia自身とおなじみKerry "Krucial" Brothers)、『Superwoman』のLIVE音源、そして『No One(Curtis Lynch Reggae Remix)』に『No One』のPVと、なんとも贅沢な仕様のアルバムになっています。

もう一度言うけど、最初から最後までダレることなく聴ける1枚。ここまで通して聴けるアルバムってかなり久しぶりのような気が。これは間違いなく2007年のベスト・アルバムにランクインしますね。

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