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全世界で1000万枚以上の売り上げを記録した『Confessions On A Dance Floor』から約2年半ぶりとなるMadonnaの11thアルバム『Hard Candy』について。ひとつの音楽ジャンルに満足することなく、常に新しい試みで攻めてくるMadonna。そんな彼女が本作を制作するにあたり抜擢したのが、USのR&B/HIP HOPシーンを圧巻し続けているTimbaland、The Neptunes、そしてJustin Timberlakeという面々。

このメンツが参加すると知ったとき、「Madonnaも売りに走ったか…」と思ったんだけど…まあこの答えはレビューの最後で。本作からの先行シングルはTimbalandとJustin Timberlakeがガッツリ関与した『4 Minutes』。ありふれたティンバ・サウンドと言えばそれまでだけど、Timbalandらのただならぬ気迫が伝わってくるし、完成度は高いと思います。マーチング・バンド風のホーン・セクションもいい感じに効いてますね。

Timbaland & Justin曲で特筆すべきは9曲目の『Dance 2night』。この軽くねっとり、そしてキラキラした感じ…新鮮で好きかも。ある意味"Timbalandらしくない"ところがいいですね。彼らは他に、西部劇に出てくる荒野を連想させるようなギター音が印象的な『Miles Away』、Justinのアルバムに収録されててもおかしくない「これぞTimbaland!」といった感じのナンバー『Devil Wouldn't Recognize』、『Voices』などをプロデュースしています。

一方のThe Neptunesは、『Candy Shop』、『Give It 2 Me』、『Heartbeat』など、彼らならではのポコスカ感と今流行のエレクトロ風味を上手く掛け合わせたダンス・チューンを提供。最初The Neptunesが参加すると聞いたときは「なんで今更ネタ切れ感漂うネプを…」と思ったけど、女帝Madonnaの作品ってこともあってか結構健闘してるんですよ。個人的に好きなのは、ひんやりとしたディスコ・サウンドが◎な『Beat Goes On』。この曲は聴いた瞬間惚れましたね。「ネプもまだまだイケるやん」と素直に思えました(笑)Kanye Westがラップのみで参加という贅沢感もたまりません。

その他のThe Neptunes曲は、オールド・スクールな雰囲気漂う究極の失恋曲『She's Not Me』、いろんな感じに色が変化していくスピード感あふれる1曲『Incredible』、タイトルどおりスパニッシュの香りがプンプンする『Spanish Lesson』、そしてボーナス・トラック扱いの『Ring My Bell』と、両者のクセのあるサウンドに屈することなく見事に歌い上げた意欲作に仕上がっています。

今回もアグレッシブに攻めた好盤になってると思うんだけど、ちょっとバランスが悪い気がしないでもない。TimbalandとThe Neptunesの味で埋め尽くされてるから、つい他の味が欲しくなっちゃうんですよね。まあ買って損はない1枚だと思うんでゲットしちゃって下さいな。

Hard Candy
Madonna
Warner Bros / Wea
2008-04-28

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