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"恋愛リリシスト"女性シンガー嶋野百恵の3rdアルバム『Girls Voice Studio 11』について。これまではR&B寄りのアプローチをしかけていた彼女ですが、本作はハウス、ヒップホップ、ソウル、ダブなど様々なジャンルを上手く取り入れた多彩な内容になっています。

そんな彼女が2002年にリリースした本作。特筆すべき楽曲は、シングルにもなった『Lesson』。この曲はRYMESTERの男前ラッパーMummy-Dと鬼気迫る男女のバトルを繰り広げる1曲で、2人の掛け合いが絶妙で病み付き度大。トラックもHIP HOP寄りなんだけど、トランペットやサックスが炸裂しまくってて凄くいい。本作のキラー・チューンといっても言い過ぎではないと思いますね。

次点で惚れたのは、UK Soulシーンの立て役者IncognitoのJean Paul"Bluey"Maunickがホーンの効いた酔いしれること必至の美曲を提供した『悦楽の憂鬱』、HouseやBreak Beatsといえばこの人ajapaiこと森俊彦が手腕を振るった小気味よい極上ダンス・チューン『Cream』(Mahya客演)の2曲。前者はサックス、トランペット、トロンボーンなどのホーンセクションが気持ちよさ100%で、有無を問うことなく曲世界へ引きずりこまれます。後者はajapaiならではのクラブ・サウンドが最高で、自然と体が揺れてしまうダンス・チューンといった感じ。うん、どちらも絶品ですね。

その他も、RIP SLYMEのDJ FUMIYAがプロデュースした艶美な雰囲気漂うクラブ・ジャズ系『キイドア』、Fantastic Plastic Machine提供の打ち込み系トラックに彼女の妖艶なヴォーカルがのる『Cover Girl』、彼女のセクシーな歌声とVERBAL(m-flo)のラップが息の合った掛け合いをみせる『Did It Again?』(ajapaiプロデュース)、HIP HOPグループBUDDHA BRANDのMC兼プロデューサーDEV LARGEが手掛けた『静かに逃して。』、お次はRam Jam Worldの朝本浩文が関与した嶋野百恵ならではの詞世界が炸裂する『Meeting (Extended Club Mix)』、再びajapaiがプロデュースしたジャズの要素を忍ばせたクラブ・チューン『Double Name』、幻想的な雰囲気に満ちた『jelly fish』(DJ FUMIYAプロデュース)、アコースティック・ギターを大々的に使用した『屋根裏のセオリー』、気だるくも艶っぽい歌声がやるせない想いを綴り歌う『めまい』、そして最後は相性のいいBlueyとメロウに聴かす『沈黙と赤いあげは』と、いい意味でボーダーレスなグルーヴィー・アルバムに仕上がっています。

どんなトラックがこようとも難なく嶋野色に染め上げてしまうのはさすがの一言。詞の世界観も相変わらず生々しくていいし、トラックもバラエティ豊かで聴き応えありますね。これまでの香りを残しつつも新しい扉を開けた意欲的な1枚になってるのではないでしょうか。洗練された大人の女性に聴いてほしい、そんなアルバムです。