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セクシーのさらに上の「どセクシー」という言葉がピッタリの5人組ガールズ・グループThe Pussycat Dollsの2ndアルバム『Doll Domination』(2枚組デラックス・エディション)について。やっと出ました、デラックス・エディションの国内盤。なんでこの盤を待ってたかというと、各メンバーのソロ・トラックが収められたボーナス・ディスクがついてるから。それにしても本作は本当に出るのかハラハラしました。だってメイン・ボーカルNicole Scherzingerのソロ・アルバムが先に発売されるはずだったのに、シングル・ヒットが出ず発売日未定に…なんてことがありましたから。

そんな不安をぶっ飛ばすかのごとくリリースされたのが1stシングル『When I Grow Up』。Rodney Jerkinsがプロデュースしたこの曲はブリブリの電子音が炸裂するハイパー・ダンスチューンで、アルバムの購買意欲を煽るにはもっていの1曲でした。続く2ndシングル『Whatcha Think About That』もMissy Elliottが客演してるのを意識してか?、『Get Ur Freak On』似のバングラ・ビートが鳴り響く妖しい楽曲といった感じでインパクト大。ちなみにプロデュースはPolow Da Donが担当しています。

この曲をはじめ、今回のPCDは果敢に斬新なビートに挑戦していて、前作に続きSnoop Doggが再登板した摩訶不思議脳内シェイク系『Bottle Pop』(Sean "The Pen" Garrettプロデュース)と、元はUsherが歌うはずだったHIP HOP寄りのドロドロ曲『Takin' Over The World』の2曲は、良くも悪くもチャレンジ精神あふれる楽曲になっています。

先述したような攻めに攻めた楽曲もいいけど、俺のハートに会心の一撃を食らわせたのはPolow Da Donプロデュースの『Who's Gonna Love You』。キラキラした80s風シンセが今っぽくもあるんだけど、Nicoleの歌唱&メロディ展開が聴く者の胸をギュッと締め付ける切なさを漂わせていて懐かしくもあったり…。これNicoleのソロ・アルバム用のナンバーだったんですね。シングルにすれば売れてたかもしれないのに惜しいなぁ。Nicoleのソロ用といえば続く『Happily Never After』もそうで、この曲はNe-Yoがコ・プロデュースで関与。繊細かつ壮大なバラードで、優しく歌い上げるNicoleヴォーカルに心奪われてしまいますね。

前作から続投してる売れっ子Timbalandは今回4曲を提供していて、怪しく神秘的な音からテクノ調サウンドへ変化する一度で二度美味しい『Magic』、Justin Timberlake"Cry Me A River"を踏襲した感じの『Halo』、Nicoleのハイテンションな歌声が曲を引率するシャッフル・ビート炸裂の『In Person』、そして「Ciaraには負けられないわ!」と言ったか言わなかったかは知らないけど"1,2,3,4♪"と日本語がとび出す『Whatchamacallit』と、今回も及第点超えした安定感のある楽曲を手掛けています。

他も、PCDといえばこの人Ron Fairがプロデュースした美しくもパワフルなメロディアス・ナンバー『I Hate This Part』、あのR. Kellyがプロデュースのみならず客演でも参加した透明感のある好ミッド『Out Of This Club』(Polow Da Donもラップで参加)、アルバムのエンディングに相応しい壮美でドラマティックなバラード『I'm Done』のような美メロ曲もあるし、Rodney Jerkins提供の早口歌唱炸裂ミッド『Elevator』、Ron Fair制作でNicoleのエモーショナルな歌声に魅せられる哀愁バラード『Hush Hush』、そして美しさとポップさがいい感じににミックスされた感じのキュート曲『Love The Way That You Love Me』と、タイトルどおり「アタシ達が支配・制圧するわよ!」と言わんばかりの気迫溢れる渾身作に仕上がっています。

そしてそして。本作にはメンバーのソロ・ナンバーを収録したボーナス・ディスクが付属してるんだけど、これがなかなかというか?かなりいい!ヴァンビー・ドールこと赤髪の美人さんJessica Suttaが歌う80s風シンセが飛び交う今風ポップ・ダンス・チューン『If I Was A Man』、PCDのガナリ担当グーグー・ドールことMelody Thorntonが歌う美しくさとキュートさが絶妙に混ざり合ったナイス・ミッド『Space』、パンキー・ドールことショート・ヘアのクールビューティーKimberly Wyattが歌うJane Childのカバー『Don't Wanna Fall In Love』、金髪のロング・ヘアがお似合いのバービー・ドールことAshley Robertsが歌うしっとりミッド『Played』、そしてPCDの顔クイーン・ドールことNicole Scherzingerが歌うDiane Warren制作の王道バラード『Until U Love U』と、今まであまり判別のできなかったNicoleとMelody以外のメンバーの歌声が堪能できる大満足のラインナップになっています。しかもどの曲も出来がいいんですよね。

なかでも個人的お気に入りはKimberlyの『Don't Wanna Fall In Love』。Elisha La'verneのカバーもよかったけど、これも90年代初期っぽい音が懐かしくて◎っす。ていうかまだ楽曲は収録されていて、NKOTBのアルバムに収録されていた曲のPCD客演バージョン『Lights, Camera, Action』、Nicoleのソロ2ndシングルのJ.R. Rottemリミックス『Baby Love (J.R. Remix)』、ボレロの名曲"Quizas, Quizas, Quizas"のカバー『Perhaps, Perhaps, Perhaps』と、2枚合わせると合計24曲というフル・ボリュームになっています。

まあ『Takin' Over The World』や『Love The Way That You Love Me』あたりは別曲に差し替えてほしかったような気がしないでもないけど、アップやミッド〜バラードの配分も申し分ないし、全体的な感触は◎でした。メンバーのソロ曲も聴く価値アリアリなんで、これから購入を考えている人はこのデラックス・エディションがオススメですよ。

ドール・ドミネーション~デラックス・エディション
ウィル・アイ・アム
ユニバーサル インターナショナル
2008-12-10

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