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エモーショナルな歌声で人気を博している、"PRINCESS OF HIP HOP SOUL"ことKeyshia Coleの3rdアルバム『A Different Me』について。ついこの間デビュー・アルバムが出たような気でいたけど、Keyshia Coleのアルバムももう3枚目か。月日が経つのってあっという間ですね。でも本作が発売されるまでの間もThe GameやKeith Sweat作品など、客演でも引っ張りだこだったから不在感を与えなかったってのも大きいかも。

内容を見ていくと、本作からの先行シングルは『Playa Cardz Right』でしたね。この曲は2006年発売の2 Pacのアルバム『Pac's Life』に収録されていたもののKeyshiaバージョンといった感じで、ゆったり流麗なピアノの旋律に彼女の情感あふれるヴォーカルが乗る極上メロウ・ナンバー。最初は「なぜ完全な新曲で勝負しない?」と思ったけど、こうしてアルバムの中で聴くとなんとなく納得。ちなみにプロデュースはIvan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" Hagginsが担当しています。

このアルバム、イントロ明けのPolow Da Don & Ron Fairプロデュースの『Make Me Over』を聴いた時点で軽く驚かされました。Christina Aguilera『Back To Basic』に収録されてそうなキャバレーっぽいアップで、軽快に舞い踊るKeyshiaのヴォーカルにこれまでとは何かが違うという空気を察知。The Runners & Ron Fair共同プロデュースによるキラキラ眩しいアップ『Please Don't Stop』、怪しさとストリングスによる美しさが絶妙に混ざり合う『Erotic』、東洋っぽい印象を与えるイントロからして◎なミッド・バラード『You Complete Me』、Amina HarrisのラップをフィーチャーしたKwameプロデュース曲『No Other』、リリシストNasが援護射撃する『Oh-OH, Yeah-Yeah』と、どの曲も美しくドラマティックなストリングスが塗されている…。まあそれはいいんだけど、なんとなくどの曲もこれまでにないセレブ感?が漂ってる気がするんですよね。

キャバレーっぽい『Make Me Over』や、ほんのりエレクトロな『Please Don't Stop』、地を這うような『Erotic』、そして今流行りの白っぽさ全開のミッド『This Is Us』みたいな曲もあるけど、全体的にはラッパーを招いた曲さえも品があるというかクラシカルというか、どこか気品が漂ってます。

男性コーラスが効果的に挿入された陶酔率高めのミディアム・スロウ『Brand New』、歌唱力に定評のあるMonicaと互いに一歩も引かない鬩ぎ合いを繰り広げる好デュエット曲『Trust』、良曲請負人Tankプロデュースによる安定感抜群のミッド『Thought You Should Know』、Poke & ToneのTrackmasters提供の美麗でドラマティックな『Where This Love Could End Up』、同じくこちらもTrackmastersがプロデュースしたほんのりグルーヴィーな『Beautiful Music』と、非常に統一性のある洗練された内容になっています。

これまでもRon Fairによるストリングス・アレンジがポイントになってたけど、今回はそれがより顕著に出てる気がしますね。それが影響してか、ストリートから出てきた女の子がセレブになっちゃったみたいな?そんな印象を受けました。といっても悪い意味じゃないですよ。今回もエモーショナルな歌声は健在だし、メロディアスな曲が多くて満喫させていただきました。

Different Me
Cole, Keyshia
Geffen Records
2008-12-16

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