2f7dcbfd

シンガー、ソングライター、そしてプロデューサーと、どれも難なくやってのけてしまう才能溢れるアーティスト、Devanteの1stアルバム『Ready Or Not』について。2003年にリリースされた本作は、インディ・ソウル・ファンの間では名盤と名高い1枚。しかし数年前のインディ作ということで現在は入手困難な状況にあります。たまにオークションなんかでも見かけるけど、結構なお値段で取り引きされていてビックリすることがあります。

さて内容についてですが、これが2ndアルバム同様歌心に満ち溢れた傑作に仕上がってるんですよ。アルバムを聴く上で序盤の流れって非常に重要ですよね。オープニングを担ったイントロ『Enter-Lude』からいきなり素晴らしく、前半のムーディー曲ゾーンの質を物語っています。その儚げなピアノが印象的なイントロが明けると、構える間もなく怒涛のムーディー曲ラッシュが襲い掛かってきます。

聴く者のハートにまったりねっとり絡み付いてくる鬼メロディアスな『Beautiful』、ここ最近のBryan Michael Coxあたりの作品に通じるようなピアノが前面に押し出された美メロ曲『Can't Afford(Playing You)』、甘くセクシーなヴォーカルでやさしく包み込むように歌う『Things You Like』、一気に止めを刺すのではなくじわじわ虜にさせる夜系スロウ『Like I Do』と、前半5曲は昔のR. Kellyを髣髴とさせるようなムーディー&ディーパーな好曲が配されていて、俺のハートにクリティカル・ヒット。この部分だけで白飯10杯は食えるかも。

中盤も質が落ちることはなく、情感たっぷりのヴォーカルに胸が熱くなる『Still』、ダレ防止に一役買ったエレクトロなアップテンポ・ナンバー『7 Days』、Mike City系のビートが立った安定感のあるソウルフルなミッド『Soul Sista』、タイトルどおり夏の夕暮れ時に聴きたい『Summer Love』、軽く東洋の香りがする『Assumptions(REMIX)』と、いろんなタイプの曲が収録されていて飽きることはなし。

後半も美メロ曲の嵐は吹き荒れ、どこまでも果てしなく美しい『Unconditional(Thankful Part.)』、都会の夜を思わせるようなムーディー&グルーヴィーな『Gonna Be Alright』、聴くほどに味わいが増す『After Tonight』、再び90年代のR. Kelly系ナンバーで魅了しにかかる『Get Over You』、そしてフィナーレに相応しいシャウト炸裂&琴線触れまくりの悶絶曲『Whenever You Call』と、美メロ曲が遺憾なく網羅された絶賛すべき1枚に仕上がっています。

全ての楽曲をセルフ・プロデュースしてるんだけど、派手な曲や流行に媚を売ったような曲は一切なし。最初から最後まで安心して聴くことができますね。あぁ…恐るべしDevante。歌魂を感じたい人はスルー厳禁ですよ。