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現在、ちょっとしたお勤めに出ているサウス…というかいまやHIP HOP界の若き帝王となった人気ラッパーT.I.の2ndアルバム『Trap Muzik』についてレビュー。最近のT.I.といえば、8月26日にNEWアルバム『Paper Trail』のスペシャル・エディションがリリースされるってことが話題になってますよね。新曲5曲を追加収録してくれるのは嬉しいけど、どのアーティストに関しても後出し豪華盤は嬉しいような悲しいような微妙な気持ちになります。

本作の内容に話題を戻します。ATLANTIC移籍第1弾となる本作からはたしか4曲くらいシングル・カットされたと思うんだけど、『24's』(全米RAPシングル・チャート15位、総合シングル・チャート78位)、『Let's Get Away』(全米RAPシングル・チャート10位、総合シングル・チャート35位)、『Rubber Band Man』(全米RAPシングル・チャート11位、総合シングル・チャート30位)の3曲がスマッシュ・ヒットを記録。

この中での個人的注目曲は『Let's Get Away』。プロデュースを手掛けたJazze Phaならではの緩く心地いいトラックもいいし、フックを担当する女性シンガーVerdiaとJazze Phaの歌も気だるキャッチーで、R&Bファンも惚れる確立高めの1曲になっています。

その他の注目としては、売れっ子Kanye Westが『Doin' My Job』、『Let Me Tell You Something』の2曲をプロデュースしてる点でしょうか。当時のKanyeといえばソウルフルなネタ使いを得意としていた時期なので前者はモロその路線。この曲のもつソウルフル感はとにかく極上級で琴線に触れること必至。後者は「Teddy Rileyプロデュース曲か!?」ってなくらいトークボックスが炸裂したユル曲で、こちらも申し分ない極上曲になっています。

T.I.作品ではおなじみのDJ Toompも健闘していて、全米R&B/HIP HOPシングル・チャートで55位をマークした『Be Easy』、スリリングなトラックが味を出してる『Look What I Got』、客演にEightball & MJGとBun B(UGK)を招いた汗臭いサウス・チューン『Bezzle』などを手掛け、2人の相性の良さを証明しています。

これら以外もJazze Phaあたりがやりそうな心地いい哀愁系トラックにT.I.の高速ラップが乗る個人的一押し曲『Be Better Than Me』&『Long Live Da Game』をはじめ、Mac Boneyをフィーチャーしたオープニング・ナンバー『Trap Muzik』、哀愁を纏いながら小刻みに打ちつけるビートが◎な『I Can't Quit』、どこか昔のBAD BOYっぽいサウンドが特徴の『No More Talk』、The O'Jays"She's Only A Woman"をサンプリングした切なくもソウルフルな『I Still Luv You』、のちに5thアルバムのタイトルになる『T.I. VS T.I.P.』、女性シンガーの怪しいバック・コーラスが挿入された哀愁系『Kingofdasouth』と、他のアルバム同様本作もT.I.のただならぬ気迫を感じ取ることができる傑作になっています。

抜きん出た曲は見当たらないかもしれないけど、どの曲も平均していい出来だし、アルバムとしてのバランスが絶妙ですね。

トラップ・ミュージック
T.I.
WARNER MUSIC JAPAN(WP)(M)
2007-09-19

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