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デビュー・アルバム『Illmatic』がThe Source誌で史上初めてマイク5本という最高の評価を受けるなど、デビュー時からずっと第一線で活躍し続けているラッパーNasの5thアルバム『Stillmatic』についてレビュー。最近のNasといえば奥様Kelisとの離婚調停が話題になってますよね。養育費の支払いが月額約4万ドル(約380万円)って…。庶民の俺には想像つかない金額だわ。

そんな彼が2001年に放った本作は、ちょうどJay-Zと揉めてたあたりの作品になります。それが顕著に表れているのがイントロ『Stillmatic (The Intro)』明けの『Ether』。Ron Browz製のトラックに乗せ、「ラクダみたいな顔」とか「チン*しゃぶってるみたいな唇」など強烈にディスりまくり。今となってみれば「こんな時代もあったんだなぁ」と懐かしい気持ちになりますねぇ。

さて、俺がこのアルバムでお気に入りなのは『One Mic』と『2nd Childhood』の2曲。前者はNas自身とChucky Thompsonが共同で手掛けていて、「俺に必要なのは一本のマイクだけ」というリリックも好きなんだけど、それ以上にいいのが曲というかNasのラップの強弱のつけ方。なんていうか、すごく臨場感があって聴いてるとゾクゾクするんですよね。後者はおなじみDJ Premierプロデュースによる間違いない1曲。夜をイメージさせるしっとり感というかまったり感?も最高だし、要所で炸裂するスクラッチも最高。

この極上な2曲があるだけで気分は上々なんだけど、さらにもう2曲要チェックな曲がありまして。Swizz BeatzプロデュースMary J. Blige客演の『Braveheart Party』と、Track MastersプロデュースAmerie客演の『Rule』の2曲なんだけど、なかでもAmerie曲はスルー厳禁。ブレイク前のAmerieがいい味出してますよー。

これら以外も充実していて、Megahertzプロデュースによるラテン調『Got Ur Self A...』、夜を連想させるようなひんやりとしたトラックが◎な『Smokin'』、Nasの息つく暇なしラップを堪能することが出来るLarge Professor提供曲『You're Da Man』、こちらもLarge Professorプロデュースの『Rewind』、ぶつ切り系ビートのループが妙な病み付き感を生む『Destroy & Rebuild』、The Firmでも共演してたAzをフィーチャーした『The Flyest』、歌うようなキャッチーなフックがおもしろい『My Country』、そしてSalaam Remiが手掛けたエンディング・ナンバー『What Goes Around』と、KING OF LYRICISTの底意地を感じる気合いの入った内容になっています。なお国内盤には『Every Ghetto』、『No Idea's Original』、『Everybody's Crazy』、『Black Zombies』の4曲のボーナストラックが収録されています。

もう一度言うけど、このアルバムは『One Mic』と『2nd Childhood』があるだけで買い推奨かも。あっ!そういえばこのアルバム、盤によってはSwizzプロデュースMary J.客演の『Braveheart Party』が省かれてるものがあるみたい。購入する時はよく確認して下さいね。

Stillmatic
Nas
Sony
2001-12-19

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