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The Notorious B.I.G.亡き後のNEW YORKを牽引してきた、KING OF NEW YORKことJay-Zの6thアルバム『The Blueprint』についてレビュー。昨日レビューしたNasのアルバム同様、本作も2001年頃のリリースだから、2人がビーフ真っ只中だった時の作品ってことになりますね。Jay-ZとNasの一件は今となってみれば「そんなこともあったなぁ」って感じだけど、当時は結構すごいことになってましたよね。

その形跡的1曲というか、JiggaがNasをディスったことで有名なのが本作の2曲目に収録されているKanye Westプロデュースの『Takeover』。Nasのミックステープ曲『Stillmatic』に反撃したこの曲は、Nasのキャリアをなぞりながらディスを展開。これにさらに反撃したのが昨日紹介したNas『Ether』。それを受けてJiggaが放ったのが『Super Ugly』…と、「どちらがKING OF NEW YORKか?」の争いは激しいものがありました。

とまあ、とりあえずそれは置いといて、本作は70年代ネタを多用した聞きやすくもカッコいいソウルフルな1枚になっております。上記で登場したKanye Westは他に3曲をプロデュースしていて、The Jackson 5"I Want You Back"をネタ使いした超キャッチー曲『Izzo (H.O.V.A.)』、Bobby Blue Bland"Ain't No Love In The Heart Of The City"をサンプリングした『Heart Of The City (Ain't No Love)』、David Ruffin"Common Man"使いの木漏れ日のようなナンバー『Never Change』と、前作に続き今回も素晴らしい仕事をしています。

Kanyeに負けじとJust Blazeも大活躍していて、夜っぽい煌びやかさとソウルフルな感じが絶妙に同居した『Girls, Girls, Girls』、ソウルネタ早回しが小気味よく炸裂する『U Don't Know』、そしてBobby Glenn"Sounds Like A Love Song"を絶妙に使った極上曲『Song Cry』と、こちらも文句なしの仕事ぶりで、Jiggaとの相性の良さを証明しています。

その他もTimbalandプロデュースによるダークでファンクな『Hola' Hovito』や、Binkがプロデュースした『The Ruler's Back』、『All I Need』、『Blueprint (Momma Loves Me)』の3曲、あのEminemがプロデュース&客演したダーク&シリアスな『Renegade』など好曲多数なんだけど、別の意味での注目曲というか裏注目曲的な1曲がPoke & ToneのTrack Mastersがプロデュースした『Jigga That Nigga』。再生早々「ミナサンJay-Zヨウナリタイヨ。カレハスゴイカッコイイケド....」という、日本人というか日本に出稼ぎに来た外国人女性のような奇妙な日本語が飛び出します(笑)これは何度聴いても笑えますね。「アニータ?」みたいな。なお、ラストにはシークレット・トラックとして『Lyrical Exercise』、『Trying Girls Out』が収録されています。

ソウルフルな作品が好きな人にはたまらない内容になってますね。いろんなところで高評価を得たのも納得。まだ聴いてない人はぜひチェックを。

Blueprint
Jay-Z
Roc-a-Fella
2001-09-11

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