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2009年3月から続くワールド・ツアーの最中、アメリカ・ツアーの最終公演地ラスベガスで、観客数わずか1,500人という小規模な会場で行われた4夜連続(7月30日〜8月2日)でのレジデンシー公演の中から、最終公演をCD&DVDで完全収録したBeyonceの3枚組スペシャル・アンプラグド・ライブ・アルバム&DVD『I Am...Yours : An Intimate Performance At Wynn Las Vegas』についてレビュー。本作はワールド・ツアーとは全く違う、この公演のために特別に練られたステージングとプロダクションで、Beyonceの息遣いが感じられるスペシャルな作品になっています。

本作のリリースを知って「ライブDVDだけ欲しいな」と思ったんだけど、国内盤はライブ・アルバムとセットになった3枚組み盤しか出ないことを知って軽くイラつきが…。でも国内盤のCDには新曲『Poison』とLady Gagaとのコラボ曲『Video Phone (Extended Remix)』の音源が特別収録ってことで国内盤への購買意欲が高まりました。ちなみにこの2曲は先日発売された『I Am...Sasha Fierce : Deluxe On One Disc』にも収録されています。でもアルバム『I Am...Sasha Fierce』を持ってる人はいらないですよね。そういう人はこの国内盤ライブDVDを買うことをオススメします。

でメインであるライブDVDについて。今回はアンプラグド・ライブということでBeyonceの歌声と生のバンド音が前面に押し出された内容になっています。「ACT ONE: INTIMATE...」と題された前半は『Hello』、『Halo』、『Irreplaceable』、『If I Were A Boy』などのゆったりとした曲をしっとりかつパワフルに聴かせてくれます。

日本ではクリスタルガイザーのCMでおなじみのアップテンポ・ナンバー『Sweet Dreams』もバラード・バージョンにアレンジして披露。でこの「ACT ONE: INTIMATE...」と題されたゾーンだけど、聴かせるミッド〜バラードばかりを9曲も連続で歌うもんだから、Beyonce好きな俺でも正直ダレそうになりました。

でも中盤の「INTERMISSION」と銘打ったゾーンから盛り返しにかかります。観客を立たせたBeyonceはジャジーな演奏をバックにスキャットを披露し観客を煽る煽る。この辺で俺のテンションも持ち直してきました。で続く『Deja Vu』のジャジー・バージョンでは「これでどうだ!」とばかりにおなじみのアホの坂田ダンスを投下。ジャズの雰囲気に包まれながらアホの坂田ダンスって…さすがぶっ飛びクイーンBeyonceですね。やってくれます(笑)タップ・ダンサーの華麗なタップ・ダンスのあとは3部構成のラスト「ACT TWO: STORYTELLING」へ突入。「INTERMISSION」ゾーンも良かったけど、ここからがさらにいいんですよ。

いつもBeyonceのライブにはDestiny's Childメドレーやヒット曲メドレーがあると思うんだけど、今回の「ACT TWO: STORYTELLING」はそれの最強バージョンといっても過言ではない贅沢な内容になっていて、Beyonceがスターダムへのし上がる軌跡を音楽で追っていく仕様になっています。歌手デビューを夢見てた子供時代にコロンビア・レコードの人達を前に披露したJackson 5『I Wanna Be Where You Are』からはじまり、Destiny's Child時代の名曲、そしてソロに転向してからの名曲を次々とパフォーマンスするんだけど、これが本当に見てて飽きないというか凄く見応えがあるんですよ。曲間に挿入されたBeyonce本人による小話(エピソード)が非常に興味深くて、瞬きするのを忘れるくらいラストまで引き込まれまくり状態でした。エンディング曲『Single Ladies (Put A Ring On It)』もあのインパクト大なダンスが見れてすごく良かったですね。

前半を見た段階では最後まで見る自信が崩壊しかけたけど、中盤以降は文句なしの流れになっていて魅了されっぱなしでした。「BONUS FEATURE」として収録されている今回のライブに関するドキュメント映像もスルー厳禁で、Beyonceのプロ意識の高さがうかがえる興味深い内容になっています。ちなみに前回のライブ「B'Day LIVE」に参加してた日本人女性ピアニスト/キーボーディスト辻利恵が今回も参加し大活躍してますよ。