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デビュー以来9度もグラミーを受賞するなど輝かしい経歴を持つ、QUEEN OF HIP HOP SOULことMary J. Bligeの9thアルバム『Stronger With Each Tear』についてレビュー。前作から約2年ですか。Maryはコンスタントにアルバムを発表してますよね。今回もちょっとした延期などはありましたが無事リリースされ、これといった問題はなし。順調でなによりです。

まず本作を手にして驚いたのが収録曲の少なさ。少ないといっても全12曲あるんだけど、最近のMaryのアルバムは20曲近く収録されたガッツリしたものが続いてたので彼女にしては少ないなと。でも内容の方は粒揃いなのでご心配なく。

本作からの先行シングルとして『The One』と『I Am』がありましたね。前者は新進気鋭ラッパーDrakeをフィーチャーしたフロア仕様のアップで、プロデュースは売れっ子Rodney Jerkinsが担当。及第点は超えてるけど秀逸かというと微妙で、チャート・アクションの方もいまいち伸びず…。でもStarGateプロデュースJohnta Austin & Ester Deanソングライトの後者『I Am』は素晴らしい出来で、安心して身を委ねることができるエモーショナル&メロディアスな楽曲に仕上がっていました。イントロも『Everything』を髣髴とさせる感じでいいですね。

この曲も上質だけど、一発で俺をノックアウトしたのはNe-YoソングライトT.I.客演の『Good Love』。これ最高!ファンキーなんだけど爽やかな肌触りで、思わず体が踊りだしそうになります。アップ繋がりでいくとPolow Da Donプロデュースの『I Love U (Yes I Du)』も◎で、派手さはないけどじわじわ攻めてくる感じが地味に病み付きになります。あっ、あとStarGateプロデュースNe-Yoソングライトの『I Feel Good』も恍惚と聴き入ってしまうようなメロディアス・チューンでスルー厳禁。

これら以外も豪華な力作がならんでいて、The Runnersプロデュースでコ・プロデュースをAkonが担当したオープニング・ナンバー『Tonight』、レトロなシンセ・ビートが炸裂するRyan Leslieプロデュース曲『Said And Done』、クロスオーバーなアプローチで聞かせる壮美曲『Each Tear』、Johnta Austin名義だった曲をTrey Songzを迎えMary名義で歌い直した哀愁ミッド『Hood Love』、売れっ子C. "Tricky" Stewart & Terius "The-Dream" Nash制作のどこか懐かしい味わいを持った『Kitchen』、女王の貫禄漂う王道バラード『In The Morning』、そしてRaphael Saadiq提供でサントラ「Precious」にも収録されている『I Can See In Color』と、いまどきなアップから王道バラードまでバランスよく収録された力作になっています。

本作のキャッチコピーでもあったけど、痛みを乗り越えた女王は力強さを手に入れたってことですか。全12曲と彼女にしてはコンパクトだけど、曲の質は申し分ないというか期待を上回ってるもの多数で満足度の高い内容になってました。値段の方も今なら国内盤が初回限定価格1,680円で購入できるのでお得ですよ。

ストロンガー・ウィズ・イーチ・ティア(初回生産限定特別価格)
メアリー・J.ブライジ
ユニバーサルインターナショナル
2009-12-23

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