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ニュー・ジャック・スウィングが一世を風靡した時代に活躍したカリフォルニア州はパサディナ出身の5人組R&BグループTroopの一員で、ソングライターやプロデューサーとしても活躍しているSteve Russellのソロ・アルバム『So Random』についてレビュー。実はTroopについてはリアルタイムではあまり知らないんですよね。ではなぜ本作を購入したのか。それは先行シングル『Bring It Back』がよかったのと、アルバム・カバーがカッコよかったから。

先行シングル『Bring It Back』は彼と元XscapeのKandi Burrussが共同で書いたスムース・ダンサー。これが悶絶度100%の出来でめっちゃ最高なんですよ。全盛期のAll Star曲あたりがツボな人は必ずハマると断言できますね。Kandiはもう1曲『I Wanna Give It To You』にも参加していて、こっちはデュエット相手としても大活躍。2人が醸し出すアダルトな雰囲気に嫌でも酔わされてしまうスロウで聴き応えアリアリ。むせ返るほど濃密でマジいいですよ。

本作はカバー曲も収録されていて、"KING OF POP"Michael Jackson『Rock With You』のカバーと、彼がB2Kに提供した『Gots Ta Be』のセルフ・カバーなんかがあります。どちらも舌を巻く出来だけど、中でも前者はMichaelとはまた違ったヴォーカルの魅力が出てて病み付き度大ですよ。

これら以外も極上曲のオンパレードなんだけど、1曲だけ場違いな曲がありまして…。それは5曲目『Hot Mess』。どういうわけかこの曲だけ超ロックン・ロールなんですよね。うーん、この曲を収録しようと思った意図が知りたい…。

で上で書いた"これら以外も極上曲のオンパレード"についてだけど、お世辞とか大袈裟抜きで他も素晴らしい曲ばかりなんですよね。特にお気に入りなのが元The UnderdogsのHarvey Mason Jr.が手掛けた『Not In A Million Years』。これ…ちょっとでも気を抜いたらチビります。歌心に満ち溢れた絶品バラードで、Steveの男汁迸る熱唱に恍惚とした表情で聴き惚れること絶対。なんていう今も…あぁ…昇天。

正気を取り戻して残りの曲を紹介します。ソングライトにLuke & QのLuke Boydが名を連ねたド派手な攻めアップ『Work It』、80年代後半から90年代に掛けて活躍したシンガーChuckii Bookerプロデュースのゆるキラ・ミッド『D.A.N.』、The Runnersプロデュースによる切なくも美メロなミッド『Disappear』、制作にHarvey Mason Jr.が名を連ねた、Ne-Yo系というか日本人受けバッチリのミディアム・アップ『I'll Never Hurt You』、Steve、Chuckii Booker、Harvey Mason Jr.の3人が共作した哀愁たっぷりのバラード『Never Feel That Feeling Again』、そしてHarvey Mason Jr.の旨味がギュッと凝縮された琴線に触れまくりバラード『Thank God For You』と、抜群の歌唱力と秀逸な楽曲がひとつになった傑作に仕上がっています。

期待どおりというか、期待を余裕で上回る内容で嬉しいビックリ。彼の歌声もツボだし、曲も歌心が感じられるものばかりでほんと最高ですね。「出会えてよかった」と心の底から思える1枚でした。

So Random
Motel Music Media (u
2012-02-27

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