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毎回独自の世界を繰り広げることで知られる、個性派R&B/NEO SOULシンガーErykah Baduの5thアルバム『New Amerykah Part Two: Return Of The Ankh』についてレビュー。最近のErykahというか、本作を語る上でいろんな意味で避けて通れないのがリード・シングル『Window Seat』ですよね。あのPVはちょっとやり過ぎな気がしないでもないけど、Erykahサイド的には思ったとおり話題になってニヤニヤといった感じなんでしょうか…。

さて、本作は昨年3月に発表した『New Amerykah Part One: 4th World War』と対をなす続編的1枚という位置付けらしい。解説によると本作は、現在のアメリカを反映して極めて政治的且つメッセージ性の強い作品だったPart Oneとは異なり、ライヴ感溢れる演奏とロマンス、そして人間関係に主題を置いたErykahの感情に踏み込んだアルバム。本人によると、Part Oneは左脳を表したもので、Part Twoは右脳部分を形にしたもので感情的。デビュー・アルバム『Baduizm』の時のようなビートやリズムの持つ作品になっているとのことです。

ん?そういやLil WayneとBilalをフィーチャーした『Jump Up In The Air (Stay There)』が収録されてないですね。シークレット・トラック扱いで収録されてるかもと思いチェックしてみたけど…残念。未収録でした。逆に嬉しいのは7曲目『Love』。この曲のプロデュースを担当してるのは今は亡きJay Dillaなんですよね。土臭いようでスタイリッシュな仕上がりになってる1曲…お聞き逃しなく。

アルバムを聴いててすぐ耳に引っ掛かったのが4曲目『Turn Me Away (Get MuNNY)』。どこかで聴いたことがある曲だと思ったらSylvia Striplin"You Can't Turn Me Away"ですね。これはサンプリングというか、カバーに近い仕上がりになってます。この曲を筆頭に本作は多くの楽曲でサンプリングを使用してるんだけど、『Turn Me Away (Get MuNNY)』と同様5曲目『Gone Baby, Don't Be Long』も結構大胆。Paul McCartney"Arrow Through Me"を丸ごとといっても過言じゃない感じで使用しています。あと9曲目『Fall In Love (Your Funeral)』も俺の大好きな曲Eddie Kendricks"Intimate Friends"使いで即ノックアウトさせられました。サンプリング技って下手すると元ネタに食われる恐れがあるけど、Erykahの場合は完全に彼女色に染め上げちゃってるから全く問題はなし。というかどの曲も心地よさ100%で付け入る隙のない仕上がりになってます。

9th Wonder関与の『20 Feet Tall』もいいし、Madlibプロデュースの『Umm Hmm』も鬼ソウルフルで極上…。うん、今回も彼女ならではの素晴らしい作品になってますね。参加してるメンバーもJames Poyser、SA-RA、そして?uestloveなど信頼のおける人ばかりで、安心して聴き入ることができました。※ちなみに『Jump Up In The Air (Stay There)』はiTunes版アルバムには収録されているようです。