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故2Pacの楽曲の客演などで知られるDEATH ROWお抱えのR&BシンガーDanny Boy幻のデビュー・アルバム『It's About Time』についてレビュー。本作のリリースを知るまで「Danny Boy…聞いたことあるような名前だけど…誰だっけ?」状態だったけど、よーく思い出してみるといましたね、Danny Boy。懐かしい名前すぎておもいっきり忘れてました。

そんな彼の過去音源がなぜ今頃リリースされたかというと、所属していたDEATH ROWが破産してカナダのレーベルWIDE awake entertainmentへ権利が移り、WIDE awake entertainmentの頑張りで日の目を見ることになったみたいです。しかもこのアルバム、16年の時を経てのリリースらしい。現代の不遇のシンガーJohnta Austinもビックリですね(笑)

「16年も眠ってたんだから腐敗臭漂う楽曲ばかりなんじゃないの?」と思う人もいるかもしれないけど、そんな思いは迷うことなく捨て去って下さい。15曲中10曲のプロデュースをDJ Quikが、そして3曲をJodeciのブレーンDevanteが。おまけにファンク・バンドZappの主要人物・故Roger Troutmanも参加というサプライズ付き。

そのRoger Troutmanが参加してるのが5曲目収録のメロウ『Between Me And U』で、トロけちゃうこと必至の甘美なトークボックスを披露してくれちゃってます。この曲をはじめ、本作は甘美でロマンティック、そしてムーディーな楽曲のオンパレード状態になってるんですよね。

DJ Quikプロデュース曲では、女性コーラスと絡むひんやりとしたファンク・ナンバー『Blow Your Mind Away』、Dannyの甘くジェントルマンな歌声が伸びやかに駆け回る『How Many Times』、リラックス効果抜群の清涼感溢れるメロウ『So In Love』、ジャジーなトラックを従え歌力を120%爆発させるゴスペル・ナンバー『Church Interlude』、90年代のR. Kellyあたりを髣髴とさせる感じの『Can I Come Over』、G-Funkやウェッサイが好きな人は必ずツボるであろうミディアム・アップ『Steppin'』、そしてJuniorの名曲カヴァー『Mama Used To Say』など、黒く品のある好曲がズラリ。

一方のDevanteも奮闘していて、トークボックスをふんだんに使用したムーディー・スロウ『Just Ride』、Jodeciのスロウ好きは確実に悶絶死するであろう『If U Don't Mind』、Dannyの悶えるようなヴォーカルとトークボックスが絡み合う『It's All About U』と、曲数は少ないものの存在感は半端ないものがあります。

これは「俺の青春時代の音がここにある」といっても過言ではないですね。間違いなく俺の大好きなブラック・ミュージックが詰まってます。こりゃ90年代R&Bがツボな人は確実にノックアウトさせられるでしょうな〜。今のR&Bに物足りなさを感じてるそこのアナタ。このアルバムをチェックして損はしないと思いますよ。マチャアキ風に言うと「本作…星三つです!」。

Think It's About Time [Explicit]
Death Row Records/gamma.
2023-03-10

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