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圧倒的な歌唱力と独自のセンスで魅了するエンターティナーChristina Aguileraの4thアルバム『Bionic』についてレビュー。Aguileraといえばアルバムごとにコンセプトを設けることで有名ですが、前作『Back To Basics』は90年代初期のソウルやジャズ、ブルースの世界観を現代に蘇らせるというコンセプトでしたね。注目の今回のコンセプトはずばり「未来」。

本作からの1stシングル『Not Myself Tonight』は、Polow Da DonプロデュースEster Deanソングライトによる挑発的なエレクトロ・チューンでしたね。曲自体は嫌いじゃないけど、いろいろ思うことはありまして…。

Aguileraがエレクトロ系のアルバムを出すと知った時、正直不安が過ぎりました。「なんで今さら?」「Aguileraがやる必要あんのか?」と。でも彼女は変幻自在で半端ない表現力を持ってる。きっと俺の想像を超える出来になってると期待を抱き再生ボタンをポチッ。で聴いての感想は…期待を上回る出来ではないけど及第点は超えてるかなといった感じかな。

"超人的"な本作のオープニングに相応しいエレクトロでフューチャリスティックな『Bionic』、売れっ子Nicki Minaj客演でハンドクラップ系の音が特徴の『Woohoo』(Polow Da Donプロデュース、Ester Deanソングライト)、個性派アーティストM.I.A.が関与した可愛らしいピコポコ曲『Elastic Love』、そしてヒットメーカーChristopher "Tricky" Stewartプロデュースによる3曲『Desnudate』、『Glam』、『Prima Donna』と、前半はエレクトロ・ビートが駆け巡る攻撃的な楽曲を網羅。どの曲もよく出来てると思うけど、Aguileraの魅力を最大限に引き出せてるかというと疑問が残りますね。

でも中盤は従来の延長線上にあるようなミッド〜バラードがならんでいて、しっとりセクシーなミディアム・ナンバー『Sex For Breakfast』、おなじみLinda Perry作のバラード『Lift Me Up』、息子に宛てた愛で満ち溢れたバラード『All I Need』、「ありのままの私を受け入れて」と歌う『I Am』、ファルセットを多用した"浮気男にさよなら"曲『You Lost Me』と、安心して聴くことの出来るゾーンになっています。

そして後半は再びアップテンポな曲が中心になっていて、Polow Da Don & Ester Deanコンビによる『I Hate Boys』、エレクトロニック・ミュージシャンPeachesをフィーチャーした女性賛歌系パーティー・チューン『My Girls』、そしてEster Deanがソングライトのみならずプロデュースまで担ったエレクトロ・ダンス・チューン『Vanity』と、アップテンポ曲(前後半)でバラード(中盤)を挟む構成になってます。

でこの国内盤は5ボーナストラック収録のUS盤デラックス・エディションと同じ内容になっていて、『Monday Morning』、『Bobblehead』、『Birds Of Prey』、『Stronger Than Ever』、『I Am (Stripped)』の5曲も収録。合計23曲か…すごいボリュームですね。

ダンス、エレクトロ、R&B/HIPHOPなどのあらゆるジャンルを融合させたサウンドが炸裂する本作はファンの間でも賛否両論。俺も手放しで喜ぶことはできなかったけど、なんだかんだ言いながらもヘビーローテーションしちゃってます。