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全米1位を記録した前作『Relapse』から1年足らずという早いスパンでリリースされた、HIP HOP史上最狂のモンスターEminemの7thアルバム『Recovery』について。Eminemにしてはリリース・ペースが早いなと思ったら、本作は『Relapse』の続編『Relapse 2』としてリリースされる予定だったんですね。しかしレコーディングを進めるうちに『Relapse 2』としてのコンセプトが弱まりタイトルを変更…という経緯らしい。

前作から1年くらいしか間がないし、今回はDr. Dreが関わった曲が1曲のみ。一応エグゼクティブ・プロデューサーはDr. Dreが担当してるけど、聴く前はちょっとした不安がありました。DJ Khalil、Just Blaze、 Jim Jonsinなど、初顔合わせとなるプロデューサー達との楽曲が多数されてるということで恐る恐る再生したわけだけど…不安は一気に吹っ飛びました。

本作からの1stシングルはDrakeやLil Wayne作品などで知られるBoi-1daプロデュースの『Not Afraid』。パワフルなビートとEminem節炸裂のラップが一つとなり、なんともいえない哀愁と感情的な雰囲気を醸し出す…はい、最高ですね。全米1位を獲得したのも納得でございます。

続く2ndシングルは人気女性シンガーRihannaをフィーチャーした『Love The Way You Lie』。Eminemが「この曲は彼女以外考えられない」と言ったのも納得の出来で、この気だるさというか哀愁はRihannaにしか出せないといっても大袈裟ではないですね。

客演繋がりでいくと、P!nkが参加したロッキッシュ・チューン『Won't Back Down』、Just BlazeプロデュースLil Wayne客演のHaddaway"What Is Love"ネタ使い曲『No Love』、そしてKobeが歌フックを担当した『Talkin' 2 Myself』の3曲も素晴らしいですね。どれもメロディアスではあるけど、Eminemならではのストイックな感じが失われてないのが好感が持てます。

他のアルバム曲も、Eminemお得意のハード&キャッチーな『Cold Wind Blows』、『W.T.P.』、Mr. PorterプロデュースでMandrill"Peace & Love"使いの『On Fire』、伝説のヘヴィメタル・バンドBlack Sabbath"Changes"をサンプリングした『Going Through Changes』、アディショナル・ボーカルの哀愁たっぷりの歌フックが◎な『Space Bound』、『25 To Life』、Timbalandにロック味を加えたような面白くも病み付き度大な『Cinderella Man』、本作唯一のDr. Dreプロデュース曲『So Bad』、Just Blazeプロデュースのシンセ炸裂曲『You're Never Over』など、リリース・スパンの短さを微塵も感じさせない非常に聴き応えのある1枚に仕上がっています。

Eminem史上初の多くのプロデューサーを迎えたアルバムとのことだけど、心配してた"Eminemらしさ"は健在で素晴らしい化学反応を起こしてますね。ビルボード200で1位を獲得し、第1週で74万1,000枚を売上げ大ヒットしてるのも納得。ちなみに17曲目には隠しトラックが収録されているのでお聴き逃しなく。