3度のグラミー賞受賞を誇る"キング・オブ・R&B"ことR. Kellyが2013年に発売した12thアルバム『Black Panties』(Deluxe Edition)について。15歳のAaliyahと結婚したあの一件以降、コンスタントに未成年女性スキャンダルで騒ぎになってるけど、現在もいろいろ問題になってるみたいですね…。ラジオで流すな運動があったり、音楽配信サービスから除外されたりしてるみたいだけど大丈夫なのかな。
そんな今後の歌手活動が心配される(自業自得ではあるけれど)R氏の本作。前情報で"ステッパーズやオールド&ロマンティック・ソウル系抜きのR&B/HIP HOPなアルバム"とか"2013年版『12 Play』"などと言われてましたよね。『12 Play』大好きなんで期待しちゃうよ?でも…前作『Write Me Back』のレビューで「試聴したけど良くなかった」と書いたの憶えてる人いるかな?あれから数年…はたして俺の心に変化はあったのか。
本作からの1stシングルはラッパー2 Chainzをゲストに招いた『My Story』でしたね。クレジットを見るとDrakeやMariah Carey曲などで知られるNineteen85がプロデュースしていて軽くビックリ。出来はまあ…普通かな。ちょっと弱い気もするけど。あとシングルは『Genius』と『Cookie』もそうだったかな。前者は心地よいミディアム・ナンバーで、後者はHIP HOP色が強く出た1曲でした。
ざっとシングル群をチェックしてみましたが、うーん「悪くないけどグッとも来ない。心に引っかからない」というのが本音ですかね。でもこのままでは終われないということで、お次は2 Chainzのようにゲストが参加してる曲を見ていきましょう。
Kelly繋がりで共演したのかどうかはわかないけどKelly Rowlandとデュエットした美しいスロウ『All The Way』、Ludacrisをフィーチャーした透明感のあるスロウ『Legs Shakin'』、 DJ MustardプロデュースYoung Jeezy客演のトラップ系『Spend That』、Futureゲストの浮遊感漂う『Tear It Up』、そしてHIP HOP全開のMigos & Juicy J客演『Show Ya Pussy』と、R. Kelly作品にしては珍しくゲストが多く招かれています。
んー、なんだろう。個人的にステッパーズやオールド&ロマンティック・ソウル系はお腹いっぱいだし、初期の路線が好きなのでR&B/HIP HOPなアルバムは大歓迎なんだけど、そこはかとなく漂うこれじゃない感…。
…!わかったぞ。これ"R. Kelly作品"とか"2013年版『12 Play』"と思って聴くからダメなんだ。別のアーティストのアルバムとして聴くと嫌いじゃないかも。でも「その聴き方ってどうなの?」という問題が発生しちゃいますね(笑)
長くなりそうなのでまとめます。個人的見解としては、HIP HOP系シンガーのアルバムとして聴くと及第点超えの秀作だけど、R. Kellyのアルバムとしてはちょっと不満が残る出来というのが正直な感想ですね。