R&B/SOUL -男性-

June 22, 2009

Raheem DeVaughn『The Art Of Noise』

c5c0fc43.jpgWoman』がグラミー賞にノミネートされた経験を持つ、ワシントンDCとNYを拠点に活動するR&B/SOULシンガーRaheem DeVaughnのミックステープ・アルバム『The Art Of Noise』についてレビュー。ご存知の人も多いと思うけど、このアルバムは彼のオフィシャルレーベル368 music groupのサイトで、メールアドレスを登録すればダウンロードできる完全無料アルバム。
「ミックステープ・アルバムだから…」「無料アルバムだから…」と侮っていては損をしますよ。Kenny DopeCool & DreIvan "Orthodox" Barias & Carvin "Ransum" HagginsIvanらが関与してる上に、オリジナル・アルバムに引けをとらない聴き応えのある1枚に仕上がっています。それはKenny Dopeがプロデュースした幕開け1曲目『God Speed』からすでに感じ取ることができて、生楽器をふんだんに使用したその"温もり"にいきなりヤラれます。Cool & Dreがプロデュースした『Planet Body Rock』もタイトルどおり近未来系サウンドとネオ・ソウルが融合されたような幻想的な曲に仕上がっていて、聴く者を別世界へといざなってくれます。Ivanが手掛けた『Whatever Man』、『Beat It Up』の2曲も素晴らしい出来で、前者はPhil Adeが客演した哀愁と渋さが滲み出た1曲といった感じで、後者も引きずるような怪しいビートが特徴の中毒性高い1曲になってて◎。こんなにいい曲揃いなのに無料って大盤振る舞いすぎだよなぁ。だって軽くライブ仕立てな晴れやかなナンバー『So Amazing』も美味だし、Ice The Villainのラップがスパイスになった初夏を感じさせるようなミディアム・アップ『Walk With You』、Young Chrisをフィーチャーした心地よすぎて昇天&悶絶する率100%のキラーチューン『Wanna Love You』、流行のオートチューンを使用したりしてるんだけど仕上がりは完全に"Raheem DeVaughn"な『Night And Day』、そのジャジーな世界観に魅了されまくりな『Lay Awhile』、『Hennesy Joint』、再生早々繰り出される超絶ファルセットにノックアウトを余儀なくされる『Back To Your Heart』、Kingpin Slimの援護射撃が効いた『Absent Hearts』、エンディングをかざる壮美なバラード『Pieces Of Clay』あたりも「なぜオリジナル・アルバムに入れないんだよ」と言いたくなるくらい上質で嬉しいビックリ。その他も、彼の歌声とエレキギターがこの上ない哀愁感を醸し出す『Cocaine Dreams』、売れっ子T-Painを招いたHIP HOP寄りの『Club Hop』、Phil Ade客演でオートチューン使いの『Talk $h@#』、ほんのりREGGAEの香りを漂わせた『Object Of Affection』、そしてStello客演の『Insomnia』と、Raheemの旨味がこれでもかとばかりに出た必聴盤になっています。
何度も言うけどこれが無料ミックステープ・アルバムだなんて信じられない。だって普通に金払ってでも買いたい内容になってるんだもん。まだチェックしてない人は368 music groupのサイトへGO。これ、マジで最高っすよ。


June 14, 2009

Pretty Ricky『Eighties Babies』

bababda8.jpg「フロリダと言えば俺達だ!」と言ったか言わないかは知らないけど、歌って踊れてラップも出来る4人組こと、マイアミが生んだR&BグループPretty Rickyの3rdアルバム『Eighties Babies』(80's Babies)についてレビュー。このアルバム…お蔵入り状態だから3rdアルバムと呼んでいいのだろうか。ボーカル担当だったPleasure Pが脱退し代わりに4 Playが加入。新体制で挑んだ本作だったんだけどリリースには至らず…。先行シングルは良かったんだけどなぁ。
その先行シングルってのが『Cuddle Up』と『Knockin' Boots '08』。前者はレーベルメイトの妹分Butta Creameをフィーチャーした、否が応にもアガってしまうキャッチー極まりないダンス・チューン。この曲めっちゃ好きなんですよね〜。何度聴いても飽きないというか良さが増す感じで中毒性十分。後者は説明不要ですね。そう、俺の大好きなグループH-Townの名曲のカヴァーでございます。このカヴァーが非常に素晴らしいんですよ。本家には負けるかもしれないけど、こっちもセクシー度100%で嫌でもトロけてしまいます。その他の曲も80年代後半から90年代あたりのR&Bが好きな人にはたまらない、どこか懐かしい感じの好曲がガッツリ収められています。アルバムの幕開けを飾るムーディーなスロウ『Shon'in』、4 Playのファルセットを駆使したヴォーカルに幾重にも重なったコーラスが合わさってくる陶酔必至の美スロウ『Marry Me (Down On My Knees)』、都会のひんやりとした夜の街をドライブする時に聴きたい感じの夜系ナンバー『XXL』、懐かしさ漂う夜系グルーヴが聴く者を包み込むミッド・ダンサー『Insecure』、女性シンガー(Butta Creameかな?)の歌をフィーチャーしたマイアミ・ベース調のノリノリ・アップ『How Long (On And On)』、SpectacularSlick'emBaby Blueの3人のラップに4 Playの歌フックが冴える壮美なバラード『Let You Go』、後ろの方でかすかに聞こえる遠吠えがある意味笑えるセクシーなスロウ『Bedroom Beast』、タイトルどおり新ボーカル4 Playが熱唱する悩殺&悶絶スロウ『4 Play』、そしてうねるシンセがアクセントになった『Sleep Wit Me』と、JodeciH-Townあたりが好きな人にはたまらない極上アルバムに仕上がっています。
今の若い子がどう感じるかはわからないけど、90年代のR&B好きな俺にはたまらない内容っすね。夜系ミッド〜スロウがひしめいてるこの感じ、マジ最高です。


June 13, 2009

Johnta Austin『Ocean Drive』

4695328a.jpgMariah Careyの特大ヒット曲『We Belong Together』を書いたことで知られる、才能溢れるシンガー・ソングライターJohnta Austinのデビュー・アルバム『Ocean Drive』についてレビュー。2005年あたりから出るぞ出るぞと言われながらプッシュバックを繰り返し、2009年である現在もいまだリリースされないまま…。これはもうお蔵入りといっていいでしょうね。『Lil' More Love』、『Turn It Up』など、どのシングルもいいと思ったんだけどなぁ。うーん。
詳しいクレジットは不明なんだけど、SO SO DEF所属ってことで仕切りはJermaine Dupriが行ってると思われます。アルバム・リリースへ向けはずみをつけるはずだったシングル『Turn It Up』はJermaine Dupriがプロデュースを担当。Luther Vandross"Superstar/Until You Come Back To Me (That's What I'm Gonna Do)"をサンプリングしてる上に出たがり首領JDの援護射撃も炸裂。メロディアスでいい曲に仕上がっていたにもかかわらずチャートでは振るいませんでしたね…。この曲結構好きだったんだけどなぁ。シングルでいうと、サビの"ドッフィンドッフィン"が頭から離れなくなる柔らかなナンバー『Dope Fiend』もなかなかだったし、早口歌唱を駆使しながら歌い進んでいく『The One That Got Away』も良かった。JDプロデュースUnk客演で挑んだHIP HOPチューン『Video』に関してはちょっと微妙だったけど、アルバムは出してほしかったなぁ。JDのどアホ。気を取り直してアルバム曲のレビューに移ります。特筆すべきは、メロディアスで何度も聴きたくなる『I Need A Girl』、歌、トラック、メロディ全てが美しい『One Time』、Bryan-Michael Coxならではの切ないピアノが特徴の『One Time For Love』、同じくBryan-Michael CoxプロデュースでMary J. Bligeが客演した『Hood Love』あたりでしょうか。この辺は結構クオリティ高いし一聴する価値はアリアリ。その他も、Tim & Bobあたりがやりそうな郷愁系『Ya Know』、ファルセットが効いたミッド『Bad Chick』、『Baby Tell Me The Way』、Ne-Yo"So Sick"を意識したような『My Heart』、Jazze Phaプロデュースのラテン系ミッド『Make Her The One』、ピコピコしたビートが小気味よく炸裂する『Come Talk To Me』、ほんのり近未来系風味が入ったスロウ『Patron』、Ne-Yo"So Sick"にシンセをプラスしたような『Say So』、哀愁たっぷりのトラックにJohntaの情感溢れるヴォーカルが乗る『Lovin' U』、Ne-Yo"Because Of You"似の『Call You Tonight』、そしてアコースティックな壮美曲『Seventeen Minutes』と、お蔵入りさせるには勿体無さすぎる渾身の1枚に仕上がっています。
「裏方から表舞台へ」てのがNe-Yoと共通してるせいか、Ne-Yoを意識したような曲がちらほら見受けられるけど、嫌味じゃない程度なので良しとしましょう。一応、今もアルバム・デビューへ向けてがんばってるみたいだけど、アルバムの内容はガラッと変更してくるみたい。てことは本作の曲は日の目を見ないままになるのか…。粒揃いなだけに残念すぎる。


June 12, 2009

Ginuwine『The Senior』

61234f69.jpg人気プロデューサーTimbalandの全面バックアップで音楽シーンに現れた、セクシーな男性R&BシンガーGinuwineの4thアルバム『The Senior』についてレビュー。1stアルバム、2ndアルバムともにTimbalandが大幅に関与。続く3rdアルバムでTimbaland曲の占める割合は一気に減少しましたが、それでも質の高い曲が多く収録された充実作でヒットを記録。そして4枚目にあたる本作ですが、ついにTimbalandが関与した曲はゼロに・・・。Timbalandファンの俺としてはちょっとショックだったけど、内容の方は申し分ないものになっています。
注目曲といえばこれっきゃないでしょう。あのR. Kellyがプロデュースを担当し"プルルルル〜"でおなじみのBabyをフィーチャーした『Hell Yeah』。最初「GinuwineR. Kellyの相性ってどうなんだろう?」と不安に思ったけど、これが意外というかかなりいい感じなんですよね。否が応でもテンション上がっちゃいます。でもそれ以上に上がるのが15曲目に収録されたリミックス『Hell Yeah (Remix)』。Babyに加えR .KellyClipseも参戦し、より濃厚さと病み付き度が増しちゃってます。プロデューサーでいうとScott Storchもいい仕事をしていて、ヴォーカルでぐいぐい引っ張る感じの激渋曲『Locked Down』、奥様でラッパーのSoleをフィーチャーしたR. Kelly風のアップ『Sex』、全体的にねっとりした『Bedda Man』と、多種多様な楽曲を提供し活躍しています。あとTroy Oliverも奮闘していて、ウェッサイを代表するラッパーSnoop Doggをフィーチャーした激渋ミッド『Get Ready』、Jose Cenquentezのラップが効いた『Chedda Brings』、心に染み入ってくるような『On My Way』、ラッパーMethod Manが静かに暴れる男汁ミッド『Big Plans』などをプロデュース。これら以外も白眉曲のオンパレード状態で、Jerry "Juke" Vinesが手掛けたアコースティックでセクシーなミッド『In Those Jeans』、Bryan Michael Coxプロデュースによるサントラ提供曲『Stingy』、やさしく囁くように歌う美メロな好曲『Love You More』、Ginuwineの気張ったようなヴォーカルが胸にグッとくるTroy Taylorプロデュース曲『Bedda To Have Loved』、同じくTroy Taylor提供の心の琴線に触れること必至の美しいバラード『Our First Born』と、3rdアルバムの延長線上にあるような好曲揃いの力作に仕上がっています。
Timbalandの手腕が光った1stや2ndアルバムはどちらかというとトラックの存在感が目立つ作品だったけど、本作は純粋に歌で勝負した非常に聴き応えのある内容になってますね。近日リリースされる新作『A Man's Thoughts』は再びTimbalandと組んでるみたいなのでそちらも注目です。


June 04, 2009

Ruben Studdard『Love Is』

9d021e4a.jpg人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」の第2回優勝者で男性R&Bシンガーの、ヴェルヴェット・テディベアことRuben Studdardの4thアルバム『Love Is』についてレビュー。ゴスペル・アルバム『I Need An Angel』を入れるともう4枚目か。でも今回はこれまで所属していたJ Recordsを離れ、Sony傘下のHickory Recordsへ移籍してのリリースとなっています。そんな心機一転の環境で挑んだ本作の内容は…。
まず驚いたのが参加してるメンツ。な・なんとあの敏腕プロデューサーJam & Lewisが全14曲中7曲のプロデュースを担当。そして売れっ子StarGateが2曲、Warren "Baby Dubb" Campbellが1曲、Flyte Tyme所属のJohn Jacksonが3曲と、かなり気合の入った制作陣が招集されています。本作からのリード・シングルはStarGateが手掛けた『Together』。汚れのない澄んだトラックにRubenの甘しゃがれたヴォーカルが乗るミッド・ナンバーで、流行などに左右されない王道色強めの楽曲になっていました。StarGateは『How You Make Me Feel』もプロデュースしてるんだけど、こっちはNe-YoBecause Of You』を髣髴とさせる感じかな。さて、本作には多くのカヴァー曲も含まれていて、Extremeの『More Than Words』、Michael JacksonI Can't Help It』、The BeatlesThe Long And Winding Road』、Elvis PresleyFor The Good Times』、Donny HathawaySomeday We'll All Be Free』、Tim McGraw & Faith HillIt's Your Love』、そしてJohnnie TaylorJust Because』のカヴァーなんてのがあったりします。ちなみに前6曲がJam & Lewisプロデュースで、『Just Because』はJohn Jacksonがプロデュースを担当。どれも安心して聴ける出来になってるのはいいけど、ほとんどがカヴァーってのは正直ちょっと萎えますね。てことでJam & Lewisが手掛けたオリジナルは、女性コーラスを従えた美しくもパワフルなバラード『Song For Her』のみ。あぁ…Jam & Lewis曲に期待してたのに…。他はJohn Jacksonが、ほどよくロック・テイストな美バラード『My Love Is A Rock』、こちらも生楽器の音が活きた壮大なバラード『We Got Love (That's Enough)』の2曲を。Warren "Baby Dubb" Campbellがどこまでも美しいバラード『Footprints In The Sand』を手掛けています。
これ…オリジナル・アルバム扱いでいいのか?約半分がカヴァー曲やん。ラブソング・アルバムってことでオリジナル・アルバムとは別でカウントした方がいいの?できれば完全なオリジナル・アルバムが聴きたかったなぁ。ちょっと期待はずれ…。


May 18, 2009

Urban Mystic『GR III: Old School 2 Nu Skool』

6999f4ad.jpgアツく雄臭いしゃがれヴォイスが人気の男性R&BシンガーUrban Mysticの3rdアルバム『GR III: Old School 2 Nu Skool』についてレビュー。Urban Mystic…ほんといい声してますよね。Ne-Yoのような抜けのいい綺麗な声も好きだけど、やっぱり彼のようなディープなサザン・ソウル・タイプの塩辛系歌声の方が味わい深くて好き。そんな彼のNEWアルバムが出たってことで速攻で購入しました。
注目の内容だけど…これいいですよ。前半の流れからして最高で、Sam Cookeの名曲を使いオバマ大統領へ捧げるオープニング曲『Obama: A Change Has Come』、ロマンティック&ムーディーなトラックとハスキーで色っぽい歌声の相性の良さにノックアウトさせられるミッド・スロウ『2 Good 2 B True』、JaheimNext作品などでおなじみの敏腕プロデューサーKayGee提供の安定感抜群の味わい深いミッド『Can't Stop, Won't Stop』、じわじわ攻め込むようにしっとり魅了する美しくも男臭い『Throw It Back』と、前半の4曲を聴いた段階ですでに昇天寸前。彼の歌声が素晴らしいのは当たり前だけど、曲の出来も目を見張るものがあって最高に美味。このゾーンだけで萌え死ねますよ。中盤以降も話題曲満載で、流行のオートチューンを仕様した今ドキHIP HOPチューン『Main Squeeze』(Yung Joc客演)、Scott StorchプロデュースCe'Cile & Beenie Man客演のキャッチーなレゲトン曲『So Fly』、一世を風靡した職人プロデューサーMike Cityが相変わらず素晴らしい仕事ぶりを披露する安心度100%ミッド『It Wasn't Me』、Ce'Cileと今度はShaggyを招いたゆったりREGGAEチューン『I'm Waiting』と、ヒットの香りがプンプンする楽曲が散りばめられています。その他も、女性シンガーPhyllisiaとデュエットした美しいバラード『Why Can't We?』、しなやかな歌声を織り交ぜながら幻想的なトラックを乗りこなす『Best Part Of The Day』、春を連想させるような爽やかでフワフワした感じの『Days Of Our Lives』(P. Chace客演)、雄臭いサウスHIP HOPチューン『Let's Go Shawty』、再びPhyllisiaとデュエットしたどこか物悲しい雰囲気漂うミッド・バラード『I'll Be Good 2 You』、そしてエンディングをかざるに相応しい渋度MAXのソウル・バラード『If I Ever Needed Someone』と、彼の塩辛い歌声をお腹いっぱい楽しめる充実作に仕上がっています。
今回も満足度高い内容になってていいですね。安定感のあるミッドを中心に、流行りのオートチューンを使った曲やREGGAE曲、サウスHIP HOP曲なんかもあって、いろんなUrban Mysticが味わえる仕様になっています。てことで激推奨盤認定。


May 08, 2009

Gerald Levert & Eddie Levert, Sr.『Father & Son』

5922981a.jpg2006年11月10日、心臓発作のため40歳という若さで天国へ旅立ってしまったウォーミーな歌声をもつベテラン・シンガーGerald Levertと、The O'Jaysのリード・シンガーでGeraldの父親でもある大御所Eddie Levertによるデュエット・アルバム『Father & Son』についてレビュー。ド渋い歌声をもつ歌ウマな熊親子の共演ということでどんなアルバムになっているのか想像できると思いますが、本作はその想像どおり濃厚かつ美しい1枚に仕上がっています。
制作陣はGeraldを軸にEdwin "Tony" NicholasDwain Mitchellの3人が担当。エレキギターやベース、サックス、ドラムなど生楽器の心地いい演奏に乗せ親子で吼えるオープニング・ナンバー『For The Love』、冒頭のアドリブと語りでまずノックアウトさせられる、澄み切った青空のようなよどみ一つない純美で心奪われる美スロウ『I Got Your Back』、やさしくも美しいメロディーラインを丁寧かつドラマティックに歌い紡ぐ『Already Missing You』(後半の吼え倒し合戦も注目)、Bette Midlerのグラミー賞受賞曲を彼らならではのウォーミー・ヴォイスで歌い上げるカバー曲『Wind Beneath My Wings』、女性コーラスやラップをフィーチャーしたムーディー&セクシーな現行系R&Bミッド・ナンバー『I Got You』、重厚で美しいコーラスと雄度MAXのフェイクに昇天を余儀なくされる悶絶すること必至のスロウジャム『Get Your Thing Off』、吼え倒し一辺倒を阻止するかのように全体的に抑制気味な感じで歌うミッド『You Need Love』、雲の切れ間から差し込む一筋の光のような正統派バラード『Don't Make Me Beg』、ストリングスが印象的なトラックに乗る2人の甘しゃがれたヴォーカルにハートを射抜かれる美曲『You're Hurting Me』、彼らの男汁たれまくりの濃厚かつ重厚なヴォーカルと美しく軽やかなトラックの混在感がおもしろくも絶妙なスロウ『I'm Savin' Your Place』、Eddie率いるThe O'Jaysの曲を親子で歌う『You Got Your Hooks In Me』、ベテランならではの余裕というか貫禄を感じる安心して聴けるバラード『The Apple Don't Fall』と、ただただ聴き入るばかりの秀逸作になっています。
美しいとしか言い様のないトラックに甘渋いウォーミーなヴォーカル…この2つが織り成すハーモニーは何物にも代え難いものがありますね。出会えてよかったと心の底から思える素晴らしい1枚です。


April 24, 2009

Playa『Unreleased Compilation』

8a4baed4.jpgTimbalandファミリーとして活躍した、Smoke E. DiggleraDigital BlackStatic Majorの男性3人からなるR&BグループPlayaのお蔵入り状態だった幻のアルバム『Unreleased Compilation』についてレビュー。AaliyahMissy ElliottGinuwineらとならびTimbalandファミリーとして語られることの多い彼ら。最近では2008年2月にメンバーのStatic Majorが他界したという悲しいニュースが話題になりましたよね…。
Playa名義では『Cheers 2 U』1枚しかリリースしてないんだけど、今回かなりレアな1枚がリリースされました。元々は2003年〜2004年にリリース予定だったものらしく、その当時の音源にプラスして聴き逃し厳禁な秘蔵トラックも追加収録されています。特筆すべき曲はなんといっても『Steady Ground』。J-DubプロデュースであのAaliyahがボーカルで参加した未発表曲です!Aaliyahならではの艶美な歌声にファンならずとも悶絶すること必至。この1曲のために本作を購入しても後悔しないでしょう。そして盟友Timbalandがプロデュースした曲も多数あって、奇天烈なティンバ・ビートが炸裂するアップ『I'm Available』、しっとりかつエモーショナルに歌い進んでいく『Wrong Of Tha Side』、中東系サウンドをバックに怪しく歌声を重ねる『We'll Meet Again』と、計3曲をプロデュース。Timbalandが提供した曲も要注目だけど、他にも極上曲はてんこ盛り状態でして。まずはBink!プロデュースの『Don't Be A Stranger』。これ鬼ヤバい。ヴォーカルに関してはRonald Isleyが降臨したかのようだし、トラックも最高にソウルフルで嫌でも昇天を余儀なくされますね。あと『Work Tha Middle』もヴォーカルもメロディもとにかく絶品な会心の一撃必殺曲って感じだし、『Meet Me』も春夏あたりに聴きたい爽快で軽やかなそよ風のようなクールダウン・チューンに仕上がっていてとっても美味。この時点でも粒揃いなのはわかってもらえると思うけど、他も充実してて、オープニングに相応しいドゥーワップ曲『Welcome Back』、Lil Flipがラップで参戦した『Weekend』、Key Beats提供の怪奇&不穏系『Gravy Train』、Bryan Michael Coxがプロデュースを担当した男の色気ムンムンなミディアム・スロウ『Lust』、彼らならではのコーラスと荒野を連想させるような哀愁のあるトラックの相性の良さにノックアウトさせられる『Hurt Away』、『Ride 4 Me』、BuddhaプロデュースLil Flip客演の『What's Ya Number?』、いい意味で気だるい陶酔率100%の『House Is Not A Home』、2003年にシングルとして発表済みのどこか神秘的な『Neva 2 Late』、そしてフィナーレをかざる『Tribute To Static』と、1曲たりともスルーすることの出来ない貴重でアツい1枚に仕上がっています。
この全19曲…とってもスペシャルです。PlayaファンのみならずR&Bファン、Timbalandファン、そしてAaliyahファンにもオススメしたいですね。


April 22, 2009

Dave Hollister『Witness Protection』

e3e2e73d.jpgBlackstreetのメンバーで、現在はソロとして活躍するシカゴ出身の実力派R&Bシンガー、Dave Hollisterの6thアルバム『Witness Protection』についてレビュー。前作『The Book Of David: Vol.1 The Transition』はゴスペル・アルバムでしたが、今回も引き続きゴスペル・アルバムになっていて、リリース元も前回同様ZOMBA傘下にあるGOSPO CENTRICからのリリース。ゴスペル・アルバムだからといって毛嫌いする必要はなく、R&Bファンも堪能できる仕上がりになってますよ。
本作はアップもバラードも充実してて全体的に安定感のある内容になってるんだけど、そのなかでも一際目を引くというか心奪われたのがラストに収録された『Champion』。Jevon Hillをフィーチャーしたこの曲は、若くしてこの世を去ったGerald & Sean Levertに捧げたナンバー。Levert兄弟の死はほんと早すぎでしたよね…。そんな2人にDaveが魂を込めて歌い捧げる1曲…悪いはずがありません。聴いてると思わず感慨にひたってしまいますね。次点で惚れたのは7曲目『Church』。ゆったりとしたミッドテンポ・ナンバーって感じで、ぱっと聴いた感じオーソドックスな曲っぽいんだけど、さりげなくヴォーカルに加工を施すなど流行への目配せもあったり。このさりげない感じいい(笑)Daveの貫禄たっぷりのヴォーカルも極上だし何度も聴けちゃいます。その他も好アップあり好バラードありの充実ぶりで、壮美なトラックをバックに伸びやかに歌い上げるオープニング・ナンバー『I'm Here』、スムージーで心地いいトラックに渋いハスキー・ヴォイスが乗る『Glow』、跳ねるドラムやうなるギターが存在感を放つロッキッシュ・チューン『More Of You』、ストリングスがドラマティックに鳴り響く『Standing』、JoJoBaby It's You』似の好アップ『Striving』、バンド・サウンドが活きた1曲で子供達のコーラスが効果的に挿入された『I Know I Can』、潤いを含んだようなしっとり優美な『The Greatest』、ギターやストリングスが効いた壮大なナンバー『Look Up』、安心して身を委ねることができる『Don't Stop』、ヴォコーダーを使用した『Just Worship』、そしてゴスペルならではの壮美なバラード『Calm Da Seas』、『Secret Place』、『Bless Me』、『You Are』と、甘渋いDaveのヴォーカルと上質なアーバン・サウンドで聴く者のハートをガッチリ掴む好盤になっています。
ゴスペルだろうがR&Bだろうが、このソウルフルな歌声があるだけで大満足。先日紹介したCaseに続き、これも大人のR&B/SOUL好きに聴いてほしいアルバムですね。Dave Hollister - Witness Protection


April 20, 2009

Case『The Rose Experience』

658825eb.jpgあのMary J. Bligeの元彼としても知られる"愛の伝道師"男性R&BシンガーCaseの4thアルバム『The Rose Experience』についてレビュー。DEF SOULからリリースされた前のアルバム『Open Letter』が2001年発売だから約8年ぶり?「新作はもう出ないのかな…」と諦めてたんだけど、見事カムバックを果たしてくれました。あの雄臭い歌声を再び聴けると思うと嬉しすぎて発狂しそうですわ。
本作からのリード・シングルは『Lovely』でしたね。大人の男ならではの落ち着いた美メロ・バラードで、彼ならではの野性味あふれるハスキー・ヴォイスが活きた味わい深いナンバー。後半の感情を解き放つような熱唱とか胸打ちまくりで何度聴いてもヤラれます。この曲のプロデュースを担当したChris Liggioは計9曲を手掛けていて、地味にいい仕事をしてるんですよ。その9曲についてはあとで紹介するとして、先に紹介したいのが『Deja Vu』と『I Can't』の2曲。『Deja Vu』は前作で相性の良さを証明した盟友Tim & Bobプロデュースによる安定感抜群のミディアム・スロウ。トラックとメロディの美しさは言わずもがな、Caseのねちっこい男汁ヴォーカルも絶品で、多くのR&Bファンの琴線&股間を猛刺激すること確実。一方の『I Can't』はMario Winansによるプロデュース曲。ちょっと地味ではあるけれど、ほんのり聴こえる近未来系サウンドがなかなか悪くないですね。で序盤で登場したChris Liggioが手掛けた楽曲についてだけど、これがマジで地味にいいんですよ。特に『Let Me Down Easy』。これ、落ち着いた美メロR&B好きにはたまらない1曲になってます。いつの間にか病み付きになってます。あと『Me & You』も注目すべき地味好曲で、これも聴くほどに染みるんですよねぇ。この2曲は間違いなく必聴。その他のChris提供曲も素晴らしく、女性コーラスとセクシーに絡まる珠玉スロウ『Betcha Don't Know Why』、Caseの塩辛いヴォーカルと軽快で爽やかなトラックの一体感が◎な『Shoulda Known Better』、Teddy Rileyが在籍してた説明不要の3人組Guyのカヴァーに挑んだ『Smile』、甘渋いファルセットが堪能できる必殺スロウ『Can I Be』、水滴音を散りばめた壮美バラード『Place To Stay』と、どれも大人仕様の好曲になっています。他も、8年のブランクをぶち破るかのような安定感抜群のオープニング曲『Be That Man』、ホーンの音色がアクセントになった美しくもどっしりとした『Turns Me On』、雨音とピアノをバックに吼える『Waiting』、Caseらしい物悲しさというか哀愁感が醸し出されてるバラード『Can't Believe』と、Case節の存在感を十分にアピールした充実カムバック・アルバムに仕上がっています。
う〜ん、美味。そしてロマンティック。このどこか泥臭いというか洗練されてないというか、いい意味で垢抜けない感じがいいんですよねー。これは大人のR&Bファンに聴いてほしい1枚。塩辛い歌声に思う存分酔いしれちゃって下さいな。Case - The Rose Experience


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