Lil Jon、Ying Yang Twins、213らが所属するTVT Recordsが送り出す期待の新人女性シンガー、Teedra Mosesのデビュー･アルバム『Complex Simplicity』を紹介。久しぶりにきましたね、初期のMary J.BligeやAshantiを髣髴とさせる"HIP HOP SOUL"の香りのするアルバムが。Teedra Mosesの歌声も艶っぽくて非常にいいです。Lil Jonとレーベル仲間なのでお決まりの"クランク＆B"でくるのかと思いきや、そういった野蛮な（失礼）アップは見当たらず、一貫してクールな雰囲気で統一された"夜"の似合うアルバムに仕上がっています。
今作のほとんどの楽曲をプロデュースしているのは、Christina Milianなども手掛けているPaul Ppli。まずはこのアルバム1番の注目曲、Nas"One On One"使いのとってもムーディーなHIP HOP SOUL曲『Be Your Girl』。なんて表現したらいいんだろうこの心地よさを。癒しの要素をもったこの1曲があっただけで買った価値があるってもんですね。
他は、Kanye Westっぽい"ソウルねた早回し系"トラックが印象的なラッパーJadakissを客演に招いた先行シングル曲『You'll Never Find(a better woman)』、Teedra Mosesの艶やかなボーカルがスムージーなトラックの上で跳ねる『Caution』、どこかAshantiっぽい雰囲気を醸し出した『Backstroke』、幻想的なトラックにのせ伸びのあるボーカルを聞かせる『No More Tears』、しっとりムーディーに歌い上げる浮遊感のあるナンバー『Rescue Me』、彼女の高音の魅力が存分に堪能できるRaphael Saddiqプロデュース＆客演の『Take Me』、軽くチキった現行系アップ『You Better Tell Her』、こちらもHIP HOPを意識したような『Outta My Head』、80年代あたりを思い出す『Complex Simplicity』、しっとりと夜の世界へ誘う『Caught Up』、心の琴線にふれる『Last Day』など、心地いいボーカルでいろんなトラックをのりこなす注目盤といった感じに。
ここ最近はどのアーティストも同じような作品ばかりでしたが、このアルバムは決して新しい試みはないがある意味とても新鮮で「なに聴こうかな？」と迷った時に思わず手が伸びる、そんな作品になっています。ただ･･･なんでKanye West作『Still Got Love』が収録されてないの？それだけが残念･･･。
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