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このアルバムで苦しみや悲しみを吐き出すことによって苦悩から解放されたという、彼女にとって最も重要で意味のあるアルバムJanet Jacksonのオリジナル・アルバム6枚目『The Velvet Rope』について。本作『The Velvet Rope』はJanet Jacksonと大御所プロデューサー・コンビJam & Lewisの3人が90年代後半の音楽シーンに殴りこみをかけた衝撃の傑作で、各楽曲をインタールードで結び、自身の思いを赤裸々にさらけ出した非常にコンセプト性の高いアルバムになっています。

その注目の内容の方ですが、まずはシングル曲を中心にみていきます。どれも大好きなんですが、一番最初にピックアップしたいのは『Got 'Til It's Gone』ですね。Joni Mitchell"Big Yellow Taxi"をサンプリングしQ-Tipを客演に招いたスクラッチ音が印象的に挿入されたアーシーな先行シングルなんだけど、初めて聴いたとき「おおっ!こうきたか!」と衝撃を受けたのを覚えてます。PVもとってもアーティスティックですよね。

あとは…エイズで亡くなった友達に捧げた美しくも切ない四つ打ちのダンス・ナンバー『Together Again』、TimbalandとTeddy Rileyが関与したREMIXも話題となったJanet Jacksonの切ない思いが痛いほど伝わってくるセクシー&ムーディーなヒット曲『I Get Lonely』の2曲もスルー出来ませんね。2曲とも曲はいわずもがな、PVも最高で何度も繰り返し見たの憶えてるなぁ…というか今でもたまに見ます(笑)

残りのシングル曲も、Janet Jacksonの繊細な声の魅力が存分に活かされた美しいバラード『Every Time』、"これは兄Michael Jacksonへ宛てた詞?"と勘ぐってしまうドラマティックなチキチキ系ナンバー『You』、重く跳ねるビートと美しいウワモノが印象的な魅惑的曲『Go Deep』と、どれも文句の付けようのないものばかりで本作のクオリティの高さが伺えます。

上記以外の曲も、官能的な詞とムーディーなトラックが絶妙な雰囲気を醸し出す艶美曲『My Need』、スパニッシュ系のイントロからはじまるJanet Jacksonが怒りを爆発させるロッキッシュなナンバー『What About』、Janet JacksonとJam & Lewisにしか作り出すことのできない妖しくも煌びやかな世界を展開してみせる『Velvet Rope』(Vanessa Mae客演)、夜っぽいメロウな空気からいきなりアッパーな感じに曲調が一転する『Free Xone』、ライブでの演出も◎なセクシーな1曲『Rope Burn』、幻想的な世界が繰り広げられる美曲『Anything』、見たこともない別世界へ連れて行ってくれるような麗しいナンバー『Empty』、彼女の繊細なヴォーカルに合ったしっとりとしたナンバー『Tonight's The Night』、そしてラストを飾る清美で潤いを含んだようなバラード『Special』と、1曲たりとも聴き逃せないハイクオリティかつチャレンジ精神あふれる楽曲で埋め尽くされた大傑作に仕上がっています。

『All For You』や『Damita Jo』みたいな明るくポップなJanet Jacksonもいいですが、こういうちょっとダーク目なJanet Jacksonも最高ですね。"POPS"とも"R&B"ともジャンル分け出来ない、Janet Jacksonならではの世界をぜひご堪能あれ。

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