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Lil' Kimとの確執やkuruptとの破局、精神安定剤の多量服用での入院騒動、所属レコード会社Def Jamとのいざこざによるアルバムの発売延期など、"ついてない"感の強い女性ラッパー、Foxy Brownの3rdアルバム『Broken Silence』について。冒頭からいきなりブルーになるような話題をふってしまいましたが、1stアルバム『Ill Na Na』はビルボード・チャート7位、2nd『Chaina Doll』は全米No.1を獲得(150万枚以上売上げた)と、Foxy Brownは女性ラッパーでは数少ない成功者なのです。

そんなFoxy Brownが放つ今作は、レゲエ・サウンドやダンスホール・アーティストをフィーチャーした傑作に仕上がっています。まずはシングル曲。恋人Spragga Benz(もう別れた?)参加でレゲエ風味を散りばめた病み付き度高めの本作からの先行シングル『Oh Yeah』、タイトなトラックをバックに終始ハードに決め込む地元ブルックリン賛歌『B.K Anthem』、The NeptunesプロデュースKelis客演の鬼キャッチーなフロア・アンセム『Candy』と、どれも文句の付け様のないものばかりでしたね。

アルバム曲も充実しており、スリリングで臨場感あふれるトラックにFoxy Brownのキレ味鋭いラップがのる『Fallin'』(Young Gavin客演)、大御所Ron Isleyが渋い歌声を響かせる母親へのゴメンね曲『The Letter』、可愛らしいトラックが印象的な『730』、ダンスホール・レゲエをうまく取り入れたBaby Cham客演の『Tables Will Turn』、ストリングスが小気味よく響く『Hood Scriptures』、こちらも鬼気迫る感じのストリングスがスパイスとなったハードコア系『Run Dem』(Baby Cham客演)、南部の人気ラッパーMystikalを招いた尺八系の音がポイントの抜きのトラックが印象的な好曲『'Bout My Paper』、Wayne Wonderが甘い歌を披露する胸キュン・バラード『Saddest Day』、CNN参加の"ビヨンビヨン系"『Run Yo Shit』、Dru HillのNokioプロデュースのラテンちっくな『Na Na Be Like』、ハンドクラップを取り入れた『Gangsta Boogie』、どこかラテンっぽくもある『I Don't Care』など、HIP HOPとREGGAEをうまく融合させたような楽曲がスパイスとなった力作になっています。

売上げ的にはイマイチだったのかもしれないけどいいアルバムですねこれ。時代を先読みしてかレゲエをいち早く取り入れてるとこもポイント高いです。ここ最近はちょっとLil' Kimに押され気味だったFoxy Brownですが、やっと落ちついて仕事が出来る環境も調ったみたいだし、今後のFoxy Brownに要注目です。

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