フロリダ生まれの実力派男性R&BシンガーUrban Mysticの2ndアルバム『Ghetto Revelations:II』について。弱冠19歳で貫禄十分のデビュー・アルバム『Ghetto Revelations』を世に放ち、聴く者を魅了したあのUrban Mystic待望の新作です。1stアルバムは素晴らしい内容にも関わらず、あまり売れなかったみたいですね。まあ"売れる=傑作"ってワケじゃないのでかまわないんだけど、2ndアルバムが出せるかどうか不安だったので、こうして無事リリースされてホッと一安心。注目の内容ですが、今回もとってもソウルフルで素晴らしいものになっていました。
まずは本作の中枢を担ってる元Naughty By NatureのKay-Geeが手掛けた楽曲から紹介。引っ張りだこのラッパーPaul Wallを客演に招き、ソウルねたを45回転サンプリングした温もりのあるトラックにUrbanのしゃがれた声がのる先行シングル『It's You』、あまりの気持ちよさに思わず失禁しそうになる個人的一押し曲で完全ノックアウト曲『Where Were You?』(でも1stにも収録されてましたよね。なぜ今作にも?)、晴れやかさと渋さを兼ね備えた味わい深い1曲『My Block』、Smittyのラップをフィーチャーした『I Got That』、ハスキー・ボイスの魅力を最大限に活かしたとってもメロディアスで昇天率100%の鬼メロウ『Why?』の計5曲。
そしてもう1人の主要人物Scott Storchがプロデュースしたのは、Pitbullを相手に負けじとラップっぽい歌(?)を披露する『Can U Handle This?』、タイトルどおりのバウンス・チューン『Bounce Wit Me』(Stack$客演)、前2曲のアップから一転、男くさい歌声にソフトなコーラスが絡みつくナイス・ミッド『I Refuse』、20代前半とは思えない渋さ全開の『Your Portrait』と、攻め曲あり聴かせる曲ありと持ち前の器用さを存分にアピール。
他はMike City提供の落ち着いたミッド・ナンバー『When U Hurt』、Trick Daddyを招いたスムージーでそよ風のような心地いいミディアム・アップ『Let's Make A Change』など、どれも文句のつけようのない楽曲ばかり。
聴くまでは正直、「評価の高い1stアルバムを超えることは無理?」なんて思ってたんだけど大きな間違いでした。男汁タラタラの歌声も最高。曲も上質なものが多数。1stと並ぶ満足のいく傑作に仕上がっています。


