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約10年もの間臭い飯を食っていたというオハイオ出身の男性シンガー・ソングライターLyfe Jenningsの2ndアルバム『The Phoenix』について。特徴のある甘しゃがれた歌声が綴る、ゲットーで生まれ育った彼らならではのリアルなリリックがうけたのか、前作『Lyfe 268-192』は時間をかけてじわじわ売れ続けアメリカだけで100万枚以上のセールスを記録。日本にいるとあまりその勢いは伝わってこないけどアメリカでは凄いことになってるようですね。

この波に乗り遅れるなと絶妙のタイミングでリリースされた本作ですが、これがめちゃめちゃいいんですよ。Lyfeが見出した女性シンガーLaLa Brownをフィーチャーした本作からの先行曲『S.E.X.』、鳥肌必至の美コーラス&美メロが聴く者のハートを撃ち抜く失禁&脱糞要注意報発令スロウジャム『Let's Stay Together』の2曲がシングルだったわけですが、俺は『Let's Stay Together』にノックアウトさせられました。

上記以外もみていくと、客演にG Unitの一員Young BuckとDoc Blackのラッパー勢を迎えた雄臭いHIP HOPチューン『Slow Down』、そしていきなり訪れる1回目の昇天所、切なさを帯びたピアノ演奏をバックにしっとりかつ感情豊かに歌い上げる心の琴線に触れまくりの涙腺猛刺激バラード『GoodBye』、The Notorious B.I.G.に捧げたと思われる『Biggie Nigga』、男の哀愁がプンプン漂うド渋いゲットー・ナンバー『Ghetto Superman』、アコギのきしむ音まで聴こえる生々しくも切ないスロウジャム『Down Here, Up There』、心の奥底からしぼり出したようなアツい歌声に陶酔を余儀なくされる古きよき時代を髣髴とさせる『The River』、ドラマティックに鳴り響くストリングスを従えアツく吠える『Still Here』(Three 6 Mafia & Project Pat客演)、歌声とギターの音色が極上の世界を作り出す流麗な1曲『More Than A Girl』、幾重にも折り重なったストリングスが美しい『Stingy』、ただただ聴き入るばかりの美スロウジャム『Radio』、2 Pacのトリビュート盤曲の続編的1曲で、最後の追い込みとばかりに快楽という名の別世界を見せてくれる悶絶曲『Keep Ya Head Up』、そして止めの1発…本作のラストを飾るに相応しい体の芯まで染み入ってくる泣きの極上ナンバー『I'll Always Love You』と、聴き終えるころには生まれたての子馬のように手足ガクブル状態で立ち上がれなくなってる会心のアルバムに仕上がっています。

ヤバい…卒倒の連続で正気で聴き終えることができないかも。インディーでなくメジャーでここまでアツいアルバムって最近なかったんじゃないかな。とにかくこれは間違いなく必聴。

The Phoenix [Explicit]
Sony Urban Music/Columbia
2010-03-17

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