
10代の頃からその類まれで圧倒的な歌唱力で魅了してきた女性R&BシンガーMonicaの4thアルバム『The Makings Of Me』について。14歳で1stアルバムを発表して以降ずっと第一線で活躍し続けているMonicaですが、前作は音源がリークされてしまい再レコーディングを余儀なくされるという災難もあったりしました。そのアルバム『After The Storm』でいい仕事をしてたのはMissy Elliottでしたよね。そのMissyが今回も続投し貢献しています。
本作は前述したMissy ElliottをはじめJermaine Dupri、The Underdogs、Bryan-Michael Cox、Swizz Beatzと才能あるプロデューサーが勢揃い。まずはJD作品から紹介。Dem Franchize Boyzと共にNelly"Grillz"によく似たスナップ系トラックを乗りこなしてみせる先行シングル『Everytime Tha Beat Drop』、聴いた瞬間JD作だとわかる既聴感のあるナンバーだけど耳を奪われてしまう『Why Her?』、メランコリックなピアノ演奏に乗せ感情豊かに歌い上げる美バラード『Getaway』の3曲をプロデュース。
MissyはCurtis Mayfield"The Makings Of You"をサンプリングした味わい深い1曲『A Dozen Roses(You Remind Me)』、お次はThe Whispers"Chocolate Girl"使いでスクラッチが炸裂しまくる『Doin' Me Right』、楽曲全体に漂う東洋の香りが夢心地な気分にさせてくれる『Gotta Move On』と、前作に続きとってもソウルフルで上質な楽曲を提供しています。
The Underdogsもしっとりとしたオリエンタルなナンバー『Sideline Ho』、彼ららしい歌心に溢れたメロディが◎な『My Everything』と、Monicaのヴォーカルに焦点を置いた2曲をプロデュース。
他も高品質な曲揃いで、Twistaを客演に迎えるも上質にまとめたBryan-Michael Cox提供のメロウ・ナンバー『Hell No(Leave Home)』、Swizz Beatzがプロデュースのみならずラップでも参加した胸キュンで病み付き度高めの『Raw』と、各クリエーターが惜しげもなく渾身の楽曲を提供しています。
全10曲とコンパクトなアルバムながら密度の高い内容に仕上がってるのはさすがの一言。『Everytime Tha Beat Drop』が出たときはどんなアルバムになるのか不安でしたが余計なお世話だったみたいですね。

