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あのPrinceも一目置くという才能あるシンガー・ソングライターFrank McCombの3rdアルバム『Straight From The Vault[Special Edition]』について。Stevie WonderやDonny Hathawayから影響を受けたというFrankは、歌も上手い上に曲も書けて、プロデュースも出来て、さらにアレンジも出来るという多彩なアーティスト。お蔵入りの再発も含めこれまでに3枚のアルバムを発表してる彼の本作は、莫大なストックの中から特に珠玉のものを厳選した1枚なんだそう。そしてさらにスペシャル・エディションということで、オリジナルに収録されていたインストゥメンタル3曲を外し、歌入りの3曲を差し替え収録したという気合の入った1枚に仕上がっています。

先述したとおり彼は曲作りの出来る人物なので、全ての楽曲の作曲・制作・編曲・プログラミング・プロデュース・楽器演奏を手掛けています(凄い)。

イントロにしておくのが非常に勿体無いアロマのような癒し効果がある『White Line In The Sky』で幕が開き、彼の豊潤なヴォーカルと生な楽器演奏がグルーヴィーな心地よさを生み出す『I'd Be A Fool』、ピアノの流麗な演奏に乗せしっとりと歌い上げるスロウ『The Thing I Failed To Do』、夜特有のひんやりとした空気に似た気持ちよさを感じる『Each Day』、イントロを耳にした瞬間から体が反応してしまう品よくグルーヴィーなスムージー・チューン『Groovin'』、幾重にも折り重なったしなやかなコーラスが夢心地な気分にさせてくれる『Just A Few More Days』、甘しゃがれた歌声で伸びやかに歌い上げる『Waiting On The Day』、シンセが懐かしい香りをはなつ時代や流行を問わず愛されそうなナンバー『The Things That You Do』、どこまでも美しいただただ酔いしれるばかりの『Left Alone』&『Still Has A Hold On Me』、ピアノのシンプルな演奏をバックに歌で勝負した感じのバラード『It Was You』、そしてラストのアウトロ的位置づけの『A Good Past...A Better Future』と、これでもかと言わんばかりに美曲を網羅した上質すぎるアルバムになっています。

これまでの作品も素晴らしい内容でしたが、今回も期待どおりの逸品になってますね。SOUL/JAZZファンやフュージョン好き陶酔の、心身ともにリラックスさせてくれるような癒しの1枚になってるんじゃないでしょうか。

ストレイト・フロム・ザ・ヴォルト-スペシャル・エディション
フランク・マッコム
ヴィレッジアゲインアソシエイション
2006-11-15

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