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リリシストと名高いNYを代表するラッパーNasの、Def Jam移籍第1弾作にして8thアルバム『Hip Hop Is Dead』について。長い間ビーフを繰り広げてきたJay-Zと仲直りし、本作はそのJay-Z率いるレーベルDef Jamと、これまで在籍してきたColumbiaのダブルネームみたいなかたちでのリリースとなりました。

さて注目の内容ですが、当初噂されていたDJ PremierやThe Neptunes、Just Blazeらは不参加という意外な展開。DJ Premierの不参加は残念ですが、一体どんな内容になっているのか…ドキドキ。まずシングルですが、BEPのWill.I.Amがプロデュース&客演したアーシーなタイトル・チューン『Hip Hop Is Dead』や、NasのラップとChrisette Micheleの味のある歌声が交差するWill.I.Am提供の『Can't Forget About You』とかそうでしたよね?どちらもWill.I.Amですが、どちらかというと『Can't Forget About You』の方が好きかな。

他もみていくと、Nas作品ではおなじみのL.E.S.がプロデュースしたNasのタイトなラップに不穏なピアノ音がまとわりつく『Money Over Bullsh*t』、同じくこちらもL.E.S.が手腕を発揮したNasのドライなラップと夜を連想させるムーディーな煌めき感を帯びたトラックの融合間がとても心地いい『You Can't Kill Me』、程よい緊迫感が漂うScott Storchプロデュースの『Carry On Tradition』、Nas本人とSalaam Remiが共作したJames Brown"Get Up, Get Into It, Get Involved"をサンプリングした『Where Are They Now』、Salaam RemiとWill.I.Amという興味深いコンビ手掛けるどこか懐かしい香りがする好曲『Who Killed It?』、待望の共演!重厚でドラマティックなトラックをバックにJay-Zとラップを重ねる『Black Republican』、そしてお次は奥方KelisをフィーチャーしたStargateプロデュースのメランコリックなナンバー『Not Going Back』、Kanye Westが彼らしいソウルフルな曲を提供した『Still Dreaming』(Kanye West、Chrisette Michele客演)、The Game作品も手掛けるMark Batsonがプロデュースのみならず歌でも参加した『Hold Down The Block』、ドラムの生々しい音色とTre Williamsのソウルフルな歌が心地よく響きわたる『Let There Be Light』(Kanye Westプロデュース)、Scott StorchプロデュースSnoop Dogg客演という豪華仕様の好曲『Play On Playa』、Dr. DreプロデュースThe Game客演の"QB Tru G"がFloetryのMarshaを加え生まれ変わった『Hustlers』、トラックなしでラップする『Hope』、そしてボーナストラックにしておくのが勿体無い『The N...』&『Where Y'all At』など、Nasならではの揺るぎない信念を感じ取ることができる力作に仕上がっています。

明るくはっちゃけたような曲は皆無だけど、ちゃんと聴きやすさもあっていいですね。随所に香る懐かしい感じも嫌いじゃないです。2006年を締めくくるのに相応しい作品ではないでしょうか。

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