ヴォーカル・グループMistaの元メンバーで、Ludacris率いるDTPの一員でもある男性R&Bシンガー、Bobby Valentinoの2ndアルバム『Special Occasion』について。音源リークの影響で発売延期を余儀なくされていた本作ですが、無事リリースに至りホッと一安心。
注目の内容ですが、前作でいい仕事してたTim & BobをはじめTimbaland、Rodney "Darkchild" Jerkins、Bryan-Michael Cox、Darrell Delite Allamby、Andre Harris & Vidal Davisと、プロダクションからして凄いことになってます。
どれからいこうかな?まずはTimbaland。Timbalandは前半のハイライトともいえる2曲を担当していて、Timbaland自身がラップでも登場する煌びやかでメロディアスなナンバー『Anonymous』、DTPの親分Ludacrisのラップをフィーチャーした粘着性たっぷりの『Rearview(Ridin')』と、どちらもBobbyとの相性はバッチリ。Justin Timberlake作品とはまた違った良さを感じますね。
お次はBobby作品のキーパーソンTim & Bobがプロデュースしたナンバー。Bobbyのヴォーカルとアコギが哀愁たっぷりに絡まる『Only Human』、職人Tim & Bobならではの美メロ具合に股間はグッショリな『Can't Wait 'Til Later』、しっとり丁寧に歌い上げるスロウ『I Was Wrong』、Babyfaceの美曲カバーに挑んだ『Soon As I Get Home』、そして本作を〆るに相応しいアコースティックな『Right There(Thank You)』と、本作の後半を彩る力作の数々を提供。
上記2プロデューサーに負けじとRodney Jerkinsも手腕を発揮していて、Tim & Bobの十八番であるエキゾチックな幻想的ミッド・ナンバーをRodneyがやってのけた『If I Had My Way』、Bobbyの甘美なヴォーカルと硬質でどっしりとしたビートが織り成す好曲『Turn The Page』と、渾身のナンバーを提供しています。そしてSilk作品などでおなじみのDarrell Delite Allamby。本作が素晴らしいことを予告するような美しい幕開け曲『Intro』、ドラマティックなトラックに重厚なコーラスと聴く者の琴線を猛刺激する『Home Is Where You Belong』、浮遊感のある幻想的な音世界に包まれる『Over & Over』と、ベテランの意地を感じずにはいられない安定感抜群の3曲をプロデュース。
他の楽曲も抜かりないものばかりで、前作の美味しいところを踏襲したような『Checkin' For Me』、Bryan-Michael Coxお得意のピアノを前面に押し出した美曲『How 'Bout It』、A Touch Of JazzのAndre Harris & Vidal Davis手掛ける『Let Him Go』(Fabolous客演)、そしてリークされる前にアルバム曲として収録される予定だった曲をボーナストラックとして収録したSean Garrettプロデュースの2曲『Wreck』&『Let's Go』と、どの曲も進化したことを確実に垣間見れる秀逸作に仕上がっています。
Timbalandが関与すると知ったときは「Bobbyまでティンバか…」と意気消沈したけど、アルバムとしての出来は問題ないですね。前作も良かったけど、今回も珠玉のナンバーのフルコースで満足度は大。大変おいしゅうございました。