
歌い手として以外にもライターやプロデューサー、そしてピアノやギターなどの楽器演奏までこなしてしまう、男性R&BシンガーRomainのデビュー・アルバム『Friction』について。まずはこのジャケットですよ。いい感じにほどよくマッチョで、見るからに歌えそうなオーラがムンムン出てます。実際も教会で歌ってたこともあるというだけあって、なかなか魅力的な歌声をしてますよ。
アルバムの全体的な印象としてはDeponceあたりに近いかな。歌心に溢れたミッド〜バラードからクランキーなアップまでそつなくこなしてます。まず日本人として触れておきたいのがインタールード『Departure』。ぎこちない日本語で「ヘイ!タクシー!」「はい、どうぞ」「六本木ヒルズ」なんて台詞がとび出すからビックリしましたよ。なぜ日本?
メイン曲に話題を戻します。シーンを意識したHIP HOP群は、"エイ!エイ!エイ!"の煽りヨロシクのサウス全開のイントロ『Intro』、ハンドクラップをちりばめたクランキーでむせ返るほど汗臭いHIP HOPチューン『Boom Boom』(Lil Boosie客演)、歌声、歌い方ともにどこかNellyっぽい印象を受ける『So Fresh』(Diomega客演)、ゴリゴリのクランク・ビートに要所で登場するウィスパー技、そしてキラキラ仕様の転調があったりとカッコいいんだけどおもしろくもある『Figure 8』(Tami Latrell客演)、なかなかいい声&フロウをしたラッパーに負けじと男汁を垂れながら歌い攻める『VSOP』と、「HIP HOPビートも乗りこなせるんだぜ」と、柔軟なヴォーカル・スタイルをアピールしたナンバーがそろっています。
一方のミッド〜バラード群も申し分ない出来で、ギターのむせび泣くような音色をバックに情感たっぷりに歌い上げる哀愁ミッド・ナンバー『Hoodrich』、Skipp Coonのラップをフィーチャーしたどこかオリエンタルな香り漂うミッド『Been Around』、Tammie Harrisなる女性シンガーのバック・ヴォーカルと悩ましく絡まるセクシーな1曲『I'm Screwed(Friction)』、穏やかで幻想的なバック・サウンドと口ずさみやすい"ウイウイウイウイウ〜"というサビが◎なリラックス・チューン『Ooo Wee』、Ne-Yo"So Sick"あたりが好きな人にはたまらないであろう、甘しゃがれた歌声が活きた『I Don't Ever Wanna Stop』、大きな盛り上がりはないけど、何度も繰り返されるサビにいつの間にか洗脳され病み付きになってる『Maybe Later』、そしてラストをかざるギターと水滴音の効いた壮大でROCK寄りのバラードを伸び伸びと歌い上げる『Hell Naw』と、第一線でも十分通用する1枚になっています。
うん、いいですね。HIP HOP曲ではNellyっぽくなり、R&B曲ではどこかTyreseっぽくもあったり。そのあたりが好きな人はぜひチェックしてみて下さい。

