
シンガー、そして映画女優と、二足の草鞋を穿き活動しているJennifer Lopezの6thアルバム『Brave』について。プライベートではサルサ系ラテン・シンガーMarc Anthonyと結婚し、幸せいっぱいのJennifer。しかし彼の影響を受けて?発表した前作『Como Ama Una Mujer』は、良くも悪くもラテン色全開の個人的にイマイチな一作でした。セールス的にも微妙な感じでしたよね。
そんな彼女が起死回生とばかりにリリースした本作は、久しぶりにR&B/HIP HOP色濃いめのダンス・チューンで攻めた力作になっています。アルバムの総指揮をとるのはJennifer自身と、彼女とは切っても切れない関係であるCory Rooney。まずは先行曲だった『Do It Well』から。Eddie Kendricks"Keep On Truckin'"をサンプリングしたこの曲はJenniferらしいダンス・チューンで、とてもヒットポテンシャル高い1曲。アルバムのラストにはLudacrisをフィーチャーしたバージョンも収録されています。
他に好感触だったのは、売れっ子Jonathan "J.R." Rotemがプロデュースした70年代風味のオープニング・ナンバー『Stay Together』、J. Holiday作品も手掛けていたAdam GibbsとMike Chesserの2人からなるプロデュース・チームThe Platinum Brothersプロデュースで、Michael Jackson"I Wanna Be Where You Are"を絶妙にブレンドした『Gotta Be There』、あとエキゾチックなサウンドが不思議な空間を作り出す『Forever』や、一聴した感じ「Bryan-Michael Coxプロデュース?」と思った美しいナンバー『Wrong When You're Gone』なども悪くないですね。
でもここからが問題。中盤から後半にかけて、結構微妙な曲が多いんですよね。前アルバム『Como Ama Una Mujer』を引きずったような『Hold It Don't Drop It』、クラシックっぽいトラックが微妙な空気を漂わせる序盤がいただけない『Never Gonna Give Up』、R&BやHIP HOPという枠を飛び越え、テクノっぽいナンバーにチャレンジした『Mile In These Shoes』、可愛らしいようでおもしろいようで…でも微妙な『The Way It Is』、『Be Mine』、『I Need Love』、実質エンディング曲である『Brave』と、お世辞にも「満足度高め」とは言えない微妙な内容になっています。
うーん、何回聴いてもハマれない。曲単位で抜粋して聴く分にはいいけど、アルバム丸ごと聴くのは少々気力がいりますね…。これはちょっと期待はずれな1枚だったかも。