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サウスの大手レーベルBlock Entertainment/Bad Boy Southに籍を置き、Young Jeezy脱退後のBoyz N Da Hoodに加入した、アトランタ出身のラッパーGorilla Zoeのデビュー・アルバム『Welcome To The Zoo』について。Bad BoyのドンDiddyといえばアルバム・デビューさせる前に、他アーティストの楽曲に客演させまくる手法が十八番。ということでGorilla Zoeも類に漏れず、Yung Jocのシングルに立て続けに客演するなどお膳立てバッチリでのデビューとなりました。

注目の内容ですが、このアルバムはChamillionaireあたりが好きな人はハマる可能性大かも。というのもGorilla Zoeもしゃがれた声で歌いまくってるんですよね。まずは本作からのリード曲だった『Hood Nigga』から紹介。この曲は地味にヤバいですよね。スクリュー加工を施した声ねたフックと、ゴリ押しループ・トラックが合わさりロウな世界を作り出す…気付いたら繰り返し聴いてる自分がいてビックリしました。

この"スクリュー化した声ねたフック"技は他でも使用されていて、Mike The Track Blazerプロデュースの『Money Man』、レーベルメイトでもある人気ラッパーYung Jocをフィーチャーした『Take Your Shoes Off』などもそれ系。上でも書いた歌系では、不器用に歌ってみせるメランコリックなナンバー『I Know』、Boyz N Da Hood総動員で挑んだむせ返るほど汗臭い『Real Motherfucka』、"ヘーイッ!ホーウッ!"という煽りが効いた『Money Up』、しゃがれた声で歌う『Last Time I Checked』あたりが白眉かな。

あとシンガーを迎えた歌ものも上質ぞろいで、Block Entertainment/Bad Boy South所属の男性R&BシンガーJC(彼のアルバム・レビュー)がフックを担当する歌モノ『Count On Me』(Jody Breezeも参加)、Bad Boy所属の女性シンガーD.Woodsの艶美な歌声が木漏れ日のように響きわたるメロウ・チューン『You Don't Know Me』と、Bad Boyの新人シンガーたちをフィーチャーした良曲もあります。

それ以外ではChristopher "Drumma Boy" Gholsonが、フックの"ドウサム!ドウサム!"というフレーズが耳にこびり付いて離れなくなる『Do Something』、Jody Breezeの滑舌いいフックともっさりしたGorilla Zoeのラップ・フロウの連携プレイがきまる『Crack Muzik(This That Muzik)』、硬派にキャッチーな『Lil Shawty』などをプロデュースしたり、Big Geeと2人で酒焼けしたようなしゃがれフロウを武器にバウンシー・トラックを乗りこなす『Tryna Make A Jug』(Fatboiプロデュース)、Dana "Dee Jay Dana" RameyプロデュースBlock、Big Gee客演の『Battle Field』、Yung Joc客演のドロドロ底無し沼のようなミッド・バウンス『Juice Box』と、ハードなんだけどメロディアスな曲多数の力作になっています。

ChamillionaireといいGorilla Zoeといい、最近はしゃがれた声で歌っちゃうラッパーが多いですね。こういうアルバムめっちゃ好きです。でもこういうラッパーが増えると、ますますJa Ruleの居場所が…。

Welcome to the Zoo
Gorilla Zoe
Bad Boy
2007-10-15

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