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歌える上に曲も書けちゃうというフィリー出身の女性シンガー・ソングライター、Jaguar Wrightの2ndアルバム『Divorcing Neo 2 Marry Soul』について。2002年にリリースされたデビュー・アルバム『Denials Delusions And Decisions』は、The Rootsらがバックアップした素晴らしい内容になってましたが、本作も侮ることなかれ。

支えるメンツは前作にも参加し手腕を発揮していたScott StorchとJames Poyserをはじめ、Mike City、Raphael Saadiq、Carvin "Ransum" Haggins & Ivan "Oethodox" Barias、Carl "Chucky" Thompsonと、ツボを押さえた人選に思わずニンマリしてしまいます。個人的にこのアルバムで一番好きなナンバーは2曲目『Free』。このエモーショナルなヴォーカルはヤバいですね。後半に向かうにつれ高揚感を増していく様も最高で、再生2曲目にして早くもノックアウト。

他も好曲多数で、プロデューサーごとに見ていくと、James Poyserは前作では5曲も手掛けていましたが本作は『Been Here Before』の1曲のみ。おなじく前作で4曲プロデュースしていたScott Storchも、彼らしいちょっと重めの曲なんだけどJaguarの変幻自在のヴォーカルが華やかに彩る『So High』の1曲と出番は減少しています。

代わりに大活躍しているのがRaphael Saadiqで、艶やかで粘り気のあるヴォーカルで曲を引っ張る『Told Ya』、しなやかで美しい世界に陶酔を余儀なくされる『My Place』、サビに突入するやいなや曲の厚みが増す面白くも気持ちいいナンバー『Ecstacy』、スクラッチなどを交えながらリズミカルに歌い進んでいくアップ『One More Drink』と、本作最多の4曲を提供。

Carvin "Ransum" Haggins & Ivan "Oethodox" Bariasはストリングスの効いた聴き応え度100%の壮美バラード『Flower』を提供。ちゃんとしたクレジットは確認できないけど、多分バックコーラスでMusiq Soulchildが参加しています。安定した仕事ぶりに定評のあるMike Cityは彼ならではのずっしりとしたビートに美しいウワモノ、そしてJaguarのエネルギッシュなヴォーカルと3拍子揃った『Let Me Be』を。

そしてCarl "Chucky" Thompsonは乾いたハンドクラップをちりばめたフィリー・ソング『Timing』を手掛けています。あとも夢心地で心地いいトラックをバックに歌声を爆発させる超絶ナンバー『Woman 2 Woman』、静かにじわじわ聴かせる歌えるシンガーならではの1曲『Do Your Worst』、ボーナス・トラックとして収録されたObie Trice客演の『Call Block』と、傑作だった前作に負けない歌心に満ち溢れたアルバムに仕上がっています。

「ネオと離婚してソウルと結婚する」というタイトルどおり、本当にソウルフルな楽曲ばかりで言うことなし。"本当の歌"が聴きたいのであれば彼女の作品を。

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