あのMissy Elliottが所属していたことでも知られるガールズ・グループSistaのお蔵入りアルバム『4 All The Sistas Around Da World』について。Sistaは1989年に結成。JodeciのDevanteに見初められElectraとメジャー契約を結ぶものの、方向性の違いなどが生じ、アルバムを制作しながらも結局リリースは白紙に…。順調にいってれば1994年あたりにリリースされてたはずなんですけどね。
そんな本作ですが、Missyの相棒(当時)であるTimbalandがガッツリ関与。インタールードみたいな曲も含め全21曲が収録されているんだけど、9曲目『Hit U Up』以外の全ての楽曲をプロデュースしてるみたい。おまけにほとんどの曲にMissyのラップが組み込まれています。
Teddy Rileyばりのトークボックス使いが炸裂する『Sweat You Down』、上品に煌びやかなグルーヴが◎で無意識に体が揺れてしまう『Find My Love』など、本作は90年代ならではの曲調で彩られた楽曲が幅を占めてるわけですが、Xscapeがカヴァーしたことでも知られるJones Girls"Who Can I Run To?"をサンプリングした『Good Thang』なんて曲もあって嬉しいビックリ。個人的にこのトラック大好きなんで、思わず失禁しそうでした。
聴かせる系のナンバーでは、スーッと体の奥底に染み渡るような好曲『I Wanna Be With U』、Virginiaをフィーチャーした美しくもエネルギッシュなナイス・スロウ『Feel Of Your Lips』あたりが白眉でしょうか。Timbaland全面バックアップといっても、この時代のティンバ・サウンドはそれほど変態ではないので、いい意味でクセは弱めかな。
他も、今聴くとちょっと時代を感じしてしまう感じのアップ『Hip Hop』、HIP HOP色濃いめのどっしりとしたトラックを相手に息の合ったヴォーカルで向こうを張る『I Don't Mind』、軽くスクラッチが挿入された『Secret Admirer』、リードのねっとりとしたヴォーカルにMissy節のコーラスが絡みつく『Brand New』、そしてPlayaからStaticを招き入れたリミックス『Brand New(Mr. Dalvins Ferran Mix)』など、90年代サウンドとティンバ・サウンドの融合が楽しめる好盤になっています。
TimbalandがブレイクしたAaliyahの2ndあたりや、最近のティンバ・サウンドが好きな人にとってはちょっと物足りないかもしれないけど、同時代作品ということでJodeciのアルバムとセットで聴くといいかも?