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1999年にメジャー・シーンに登場して以来ずっとトップに君臨し続けている、デトロイト出身の白人ラッパーEminemのメジャー5thアルバム『Relapse』について。前作からおよそ5年ぶりとなるオリジナル・アルバムですが、約61万枚を売り上げ米Billboardチャートで余裕のNo.1を獲得。さらに全英アルバム・チャートでも1位とヒット街道を爆進してるようです。相変わらず凄い人気ぶりですね。

そんな売れに売れてる本作だけど、リード・シングル『Crack A Bottle』からして強力でした。Dr. Dreプロデュースによるストリート感溢れるビート上でEminem〜Dr. Dre〜50 Centと豪華極まりないマイク・リレーを繰り広げるキラーボムで、USのシングル・チャートで余裕のNo.1を獲得。

続く『We Made You』はEminemお得意の有名人を皮肉った内容で話題を呼びましたね。でも個人的にこの路線はお腹いっぱいというか、「またか…」って感じで全く食指が動きませんでした…。ちなみに上記2曲ともDr. Dreプロデュースによるもので、他もEminem自身が単独プロデュースした『Beautiful』以外は全てDr. Dreを軸にEminemやMark Batsonらが名を連ねるかたちになっています。

一聴した段階でツボにクリティカル・ヒットしたのは『Hello』。このビートは中毒性アリアリでヤバいですね。要所で炸裂するスクラッチもアクセントになってていいし。あとエンディング曲『Undergrond』もシリアスな映画音楽のようでカッコいいし、硬質なビートがビシバシ炸裂する『Must Be The Ganja』あたりも結構好きかも。

その他も余裕で及第点越えしたものばかりで、Blink-182のドラマーTravis BarkerによるROCKリミックスも話題の『3 a.m.』、Dr. Dreらしい溜めの効いたビートとキャッチーなフックが◎な『My Mom』、『Deja Vu』、Eminemの滑舌のいいラップが聴いてて気持ちいい『Insane』、アラビアンなビートが存在感を放つ『Bagpipes From Baghdad』、女性の幻想的な声が曲全体にサンプリングされた『Same Song & Dance』、ハンドクラップが躍動感をプラスする『Medicine Ball』、ほんのりロッキッシュな『Stay Wide Awake』、そしてDr. Dreがプロデュースのみならず客演でも参加した『Old Time's Sake』と、今回もEminemらしさ全開の渾身作に仕上がっています。

流行に流されることもないし、外部の売れっ子ゲストに頼ることもなし。この潔さ、いいですね。目新しさはないかもしれないけど、Dr. Dreのビートをじっくり味わうことも出来るし個人的には満足のいく内容でした。

Relapse: Refill (Newv) (Bril)
Eminem
Aftermath
2009-12-17

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