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これまでに6度のグラミー受賞と7枚のマルチプラチナ・アルバム獲得という経歴を持つ、QUEEN OF HIP HOP SOULことMary J. Bligeの3rdアルバム『Share My World』についてレビュー。前作『My Life』はBAD BOYのドンP. Diddy一派が全面バックアップした傑作でしたが、本作はいろんなプロデューサーを招き、新たな魅力を引き出すことに挑戦した内容になっています。

前作『My Life』も大好きな曲てんこ盛り状態だったんだけど、このアルバムも名曲だらけでどの曲から紹介しようかすごく迷うんだよなぁ。でもやっぱこれからでしょう。そう、Jam & Lewisがプロデュースした『Everything』。The Stylistics"You Are Everything"を使ってる上に、日本人には馴染み深い人気曲"上を向いて歩こう(スキヤキ)"のフレーズも使用。最強すぎて言うことなしですね。あとBabyfaceが手掛けた『Not Gon' Cry』も名曲ではないでしょうか。美メロ・メーカーならではの琴線に触れるメロディーが最高で、その魅力は何年経って聴こうが色褪せることはないです。

HIP HOP SOUL系で聴き逃し厳禁なのは、Rodney Jerkinsプロデュースでビッチ・ラッパーLil' Kimが援護射撃する『I Can Love You』、同じくRodney JerkinsプロデュースでThe Loxが参戦した『Can't Get You Off My Mind』、またまたRodneyとFredのJerkins兄弟が手掛けバイブ奏者Roy Ayersを招き入れた『Searching』、Jam & LewisプロデュースNas客演の『Love Is All We Need』あたり。なかでも『Can't Get You Off My Mind』と『Searching』は秀逸で、曲から漂う夜系のしっとり煌びやかな輝きに何度も昇天を余儀なくされます。

その他も完成度の高い曲がずらっとならんでいて、Track Masters制作の『Round And Round』、『Keep Your Head』、Rodney Jerkinsが提供した雨を連想させるようなミッド『Share My World』、SWVやJaheim、702作品なども手掛けるMalik Pendletonが書いたスロウ『Seven Days』、敏腕シンガー・ソングライターR. Kellyがプロデュースのみならず客演でも参加したじわじわ系スロウ『It's On』、「これぞBabyface!」といった仕上がりの美バラード『Missing You』、そして古きよき時代の香りがする『Our Love』と、Maryのエモーショナルな歌と敏腕プロデューサーが絶妙に絡まった傑作になっています。

Jam & LewisやBabyfaceも素晴らしい仕事ぶりだけど、本作でスポットライトを当ててあげたいのはRodney Jerkins。Aaliyahの2ndアルバム『One In A Million』などこの作品を手掛けるまでもちょこちょこ仕事はしてたけど、一気に注目を集めたのは本作ですよね。Maryとの相性もばっちりで思わずニンマリしてしまいます。未聴の人はぜひチェックを。

Share My World
Blige, Mary J.
Universal
1997-04-14

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