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プエルトリカンの血を引くニューヨークはブロンクス出身の巨漢ラッパーFat Joeの5thアルバム『Loyalty』についてレビュー。Fat Joeといえばヒスパニック・コミュニティーを代表するラッパーで、今は亡きBig Punの相方というイメージがあるんだけど、最近のニュースでBig Punの遺族と対立してるってのがありましたね。原因は金。うーん…。

本作は2002年にリリースされた1枚なんだけど、メロディアスな歌モノが多く収録された充実作になってるんですよ。貢献したのはCool & DreとTony Sunshineで、この2者は本作の半数近くの曲に関与し大活躍しています。

カットされたシングルからして鬼メロディアスで、Cool & DreプロデュースArmageddon、Tony Sunshine客演の『All I Need』、Ginuwineのセクシーな歌声が彩りを添えるラテン・フレイバー溢れる『Crush Tonight』と、どちらもR&Bファンの心をガッツリ掴んで離さない出来に。Ginuwine曲もキャッチーで◎なんだけど、『All I Need』のソウルフルで夜っぽい雰囲気も最高でギャル受けばっちりな仕上がり。

でもここで満足しちゃ駄目ですよ。アルバムにもメロディアスな好曲がてんこ盛りなんです。個人的オススメは2曲目の『Bust At You』。The Alchemistプロデュース、Birdman、Scarface、Tony Sunshine客演と、メンツを見ただけで極上な香りが漂ってると思うんだけど、実際の出来も最高で言うことなし。MC勢のラップもTonyが歌うフックも文句なしで病み付き度100%。これをおかずに白飯10杯くらい食えますよ。

あとCool & DreプロデュースRemy Martin、Tony Sunshine客演のラテン系歌モノ『TS Piece』と、Irv Gotti & Chink Santana提供でAshanti似の歌声が特徴のRonda Blackwellが歌声を響かせる『Turn Me On』も上記の曲がツボならハマるんじゃないかなと。

これら以外も、Buckwildが提供した映画音楽のようなオープニング・チューン『Take A Look At My Life』、ソウルフルなトラックをバックにラップするCool & Dre提供曲『Prove Something』、Fat JoeのラップとTony Sunshineの歌がいい感じに交差する男らしい歌モノ『It's Nothing』、Lamajicの哀愁たっぷりの歌声がとにかく渋い『Born In The Ghetto』、レイドバックしたようなひんやりとしたトラックがいい『Life Goes On』(Cool & Dreプロデュース)、Armageddon、Prospect、そしてRemy Martinと大勢でマイクをまわす『Loyalty』(Cool & Dreプロデュース)、Busta Rhymes『Arab Money』を当てたRon Browz提供のハード&キャッチーな1曲『We Run This Sh*t』、どこか物悲しい雰囲気たちこめる『Sh*t Is Real Pt. III』と、メロディアスな歌モノを中心にハードな曲なんかも散りばめたバランスのいい作品になっています。

歌モノが得意なことで知られるFat Joeだけど、彼の作品の中でも本作はキャッチーな好曲が多く収録されてる気がしますね。R&Bファンもチェック推奨です。

Loyalty
Fat Joe
Atlantic
2002-11-11

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