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脱小室後の集大成的ベスト・アルバム『BEST FICTION』が170万枚を超える特大ヒット。同作を携えたアリーナ・ツアーでは女性ソロ・アーティストとして史上最多動員記録をマークと、その勢いはとどまることを知らない我が国が誇る最強のポップ・クイーン安室奈美恵の約2年半ぶりとなるオリジナル9thアルバム『PAST < FUTURE』についてレビュー。常に媚びることなく我が道を進んできた安室が次に掲示したのは、「過去の自分を自らの手で破き捨てる」という衝撃的な過去との決別宣言?でした。

今回のアルバムはいろんな面で挑戦的な1枚になっていて、収録されているシングルが1枚だけだったり、そのシングルも含め歌番組でのプロモーション活動を封印し、雑誌や情報番組、ラジオなどに重点を置いたプロモーション活動にシフトチェンジするなど、これまでとは違った新しい攻め方を試みてます。

もちろん楽曲の方でも攻めていて、エレクトロ、ユーロ、ハウス、R&Bなどがミックスされた先鋭的なビートが炸裂する『WILD』、高速エレクトロ・ビートとボレロが入り乱れる画期的なナンバー『Dr.』と、前述した両A面シングルからもすでに"NEW安室奈美恵"の香りは漏れ伝わっていました。その香りというのが、現在USの音楽シーンに旋風を巻き起こしているシンセが飛び交うエレクトロ&サイバー&トランシー&フューチャリスティックな楽曲で、本作もそういうテイストを取り入れたアグレッシブな内容になっています。

安室の良き理解者であるT.KURA & MICHICOとNao'ymtの2組は今回も続投していて、T.KURA & MICHICOは『WILD』、『COPY THAT』、『FIRST TIMER』を。そしてNao'ymtが『Dr.』、『Shut Up』、『Defend Love』と仲良く3曲ずつ提供。『COPY THAT』はヴィダルサスーンのCMでバンバン流れてたあの曲で、007のようなイントロからはじまり、終盤に向かうにつれ徐々にエレクトロなノリに変貌していく様がおもしろい1曲。

そして『FIRST TIMER』はDOBERMAN INC.をフィーチャーしたぶっ飛び度100%のフロアバンガーで、安室のキュートなヴォーカルとDOBERMAN INC.の汗臭いラップの対比というか混在具合が絶妙と、今回もT.KURA & MICHICOは素晴らしい仕事ぶりを披露。毎回完成度の高い楽曲ばかりで賞賛に値しますね。あっぱれ。

一方のNao'ymtも奮闘していて、安室の隠れた意見を表したようなリリックが◎なロッキッシュ・チューン『Shut Up』、壮大なスケールのリリック、ドラマティックな展開をみせるトラック共に素晴らしい『Defend Love』と、こちらも手腕を発揮し安室との相性の良さを証明しています。特に『Defend Love』はヤバいですね。病み付き状態でリピートが止まらなくて困ってます。

で次に注目なのが『Queen of Hip-Pop』などに関与していたTIGERが名を連ねた『FAST CAR』、『LOVE GAME』、『Bad Habit』の3曲。レトロな味わいを持ったホーンのリフが印象的な『FAST CAR』は、以前から噂されていたDSign Musicプロデュースによるもので、スキャットやフェイクが飛び交う構成の中盤〜後半はハートと睾丸を鷲掴みにされて立っているのがやっとなくらい興奮が上昇し股間はグッショリ…。

あとの2曲も安室と"スーパーシスター"の契りを交わしたDOUBLE(TAKAKO)がリリックを書いたソリッドなアップ『LOVE GAME』、安室の躍動感溢れるヴォーカルと浮遊感を帯びた前傾姿勢のトラックが一体となって奇襲攻撃を仕掛けてくるキラーチューン『Bad Habit』と、3曲とも期待を上回る出来になってるんですよね。ということでTIGERは今後の安室作品に関与してくることが予想されます。

その他もJeff Miyaharaが荒野の雰囲気を漂わせたサイバー・チューンを提供した『Steal my Night』、倖田來未『TABOO』などのヒットで知られるHIROプロデュースのキラキラ・シンセが特徴のメロディアス・ミッド『MY LOVE』、そして恋人との思い出を回顧するラブ・バラード『The Meaning Of Us』と、ポップ・アイコン安室奈美恵が生ぬるいJ-POPシーンに一石を投じるアグレッシブな渾身作になっています。

なおDVDには『WILD』、『Dr.』のシングル2曲を筆頭に、機動戦士ガンダムのアムロ・レイとコラボレーションした『Defend Love』など6曲のPVが収録されています。

日本の音楽シーンの第一線で活躍しているアーティストが行ったことのないとこまでぶっ飛んじゃったような曲もあれば、『Steal my Night』や『Shut Up』などエッジーなんだけどどこか懐かしい曲もあったりと、バラードが1曲しかない割には全体のバランスが非常にいいですね。R&B、エレクトロ、テクノ、ROCKなど、様々な要素を自分の中に取り込み昇華させたネクスト・レベルの楽曲の数々…。こんなアルバムを日本でヒットに導けるのは安室しかいないんじゃないの?いやマジで。シングル1枚のみで歌番組への出演も一切なし。こんなプロモーションにもかかわらずアルバム・チャート1位爆走中って…恐るべし安室奈美恵。

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