
4年前の2007年に『9 Lives』でメジャーデビューをかざった、ブロンクス生まれドミニカ共和国育ちの女性アーティストKat Delunaの2ndアルバム『Inside Out』について感想を。KatといえばChristina Aguilera系の歌声(歌唱力)と、HIP HOP、R&B、メレンゲ、POP、ラテン・ジャズ、エレクトロニカ、ダンスなど、様々な楽曲を歌いこなしちゃう器用さをあわせ持つ才女。でもUSではいまいちブレイクしきれないんだよなぁ…。
そんな彼女の本作は、昨年の暮れに地味にリリースされました。というのも本作はユニバーサル・ミュージック・ベルギーと契約し発表した1枚ということで、US盤はまだ出てないみたいなんですよね。あと俺はアマゾンで購入したんだけど、ジャケットは2タイプあるのかな?白系のやつではなく、黒ベースのバージョンが届きました。
さてさて、内容に目を向けると、本作からの先行シングルは『Unstoppable』や『Push Push』などがありました。個人的にこの2曲はどっちも大好きで、Lil Wayneのラップとロッキッシュでエレクトロなサウンドが鬼カッコいい『Unstoppable』、David GuettaとAkonという人気者2人がバックアップしたアゲアゲな『Push Push』と、今風のエレクトロ・ポップで聴く者のテンションを上げてくれます。
この2曲でわかると思うけど、今回のKatは前作で見られたダンスホールっぽさが後退し、旬のエレクトロ・ポップ路線にシフトした内容になってるんですよね。ちなみにアルバムのエグゼクティブ・プロデューサーは前作(Deluxe Edition)と同じく売れっ子RedOneが手掛けています。
そのRedOneがプロデュースしたのは先述したシングル『Unstoppable』と、Jennifer Lopezあたりが歌っても似合いそうなちょいラテン風味のアップ『Party O'Clock』、相性抜群のElephant Manが合の手で援護射撃する『Oh Yeah (La La La)』、耳にした瞬間「Ashlee Simpsonっぽい」と思ったポップ・ロック曲『All In My Head』、そしてちょい懐かしい香りのする『Rock The House』と、どれも間違いのないものばかり。Lady Gagaを当てただけあってハズレがないですな。
他も好曲ぞろいで、流行ど真ん中の爽快なエレクトロ・ポップ『Dancing Tonight』、『Be There』、タイトルどおりバラードにアレンジされた『Be There (Ballad Version)』、ダンスチューンがひしめく本作の中ではおとなしめの部類に入るミディアム『One Foot Out Of The Door』、浮遊感のある痛快エレクトロ『Calling You』と、アゲアゲな曲が9割を占めるダンス・アルバムに仕上がっています。
ここまでイマドキな曲が並ぶと潔いし気持ちいいですね。Kelis『Flesh Tone』はあまりハマれなかったけど、これは好きかも。Katならではのラテンぽさがいいスパイスになってるからかな。気になる人はチェックしてみて下さい。