シンガーとしてもプロデューサー/ソングライターとしても説明不要のアーティストBabyfaceが2015年に発表した8thアルバム『Return Of The Tender Lover』について。たしかこの1年前の2014年はToni Braxtonとのデュエット・アルバム『Love, Marriage & Divorce』をリリースしてたので、この時期は2年連続で新作を味わえたということですよね。んー、贅沢だ。
まずは本作のタイトル。ピンときた人もいるかもしれないけど、自身の1989年の2ndアルバム『Tender Lover』へのオマージュなんだそう。ひとつ前の7thアルバム『Playlist』がカヴァー曲多め&R&B色薄めだったので、今回はR&Bファン待望の内容になってそうですね。
先行シングルだったのは『We've Got Love』。この曲がいい意味で懐かしい風合いで、聴いていてとっても心地いいんですよ。サックスやギターの効いたグルーヴィなこのナンバーは、たくさんの名曲を生み出してきたBabyfaceとDaryl Simmonsの共作。上質なのも納得のコンビですね。
『We've Got Love』が好きな人は、DeBargeの中心人物El DeBargeとデュエットした『Walking On Air』も気に入る可能性大かも。軽やかなアップで、2人の高めの歌声も水を得た魚のよう。あと似たような魅力をもつ曲として、親族グループAfter 7をフィーチャーした『I Want You』も忘れちゃダメですね。
他も、ファルセットが効いたミディアム・アップ『Fight For Love』、ロマンティックなバラード『Love And Devotion』など、全9曲を収録。
時代や流行に左右されない、甘く、軽やかで、そしてロマンティック…。これはBabyfaceの真骨頂が詰まった1枚といっても過言じゃないと思います。アルバムとしてのバランスもいいし聴きやすいので、よかったらチェックしてみて下さい。