Sonshine、Vayne、Yesz、Nic namの4人からなるL.A.はサウスセントラル発のガールズ・グループY?N-Vee(読み方は「ワイ・エンヴィ」)が1994年に発表したデビュー・アルバム『Y?N-Vee』について。彼女たちは本作1枚を残して消えてしまったので、どういうグループなのか詳細不明だったりするところもあるのだけど、歌のみならずラップもこなしちゃうグループで結構イケます。
まずは僕の本作の購入動機となったシングル曲『Chocolate』。人気ネタRick James"Mary Jane"をがっつりサンプリングしたメロウで、聴いた瞬間ハートを鷲掴みされちゃいました。ほんと反則スレスレの使用具合なんだけど、心地いいからいいんです。
大ネタ使いしてる曲はもう1曲ありまして。『Tricks-N-Trainin'』もそう。こちらはThe Notorious B.I.G.曲などでおなじみのMtume"Juicy Fruit"をサンプリングしています。しかも余裕で及第点越えしたアゲ曲で、ユルいんだけどアガる好曲になってるんですよ。フィーチャーされてる男性ボーカルとの掛け合いも◎です。
あとシングルつながりでいうと『I'm Goin' Down』も注目でしょうか。タイトルでピンと来た人もいるかもしれないけど、Rose Royceの名曲カヴァーです。有名どころでいうとMary J. Bligeのカヴァーも有名ですよね。
上記以外の楽曲もチェックしていくと、メンバーのラップがアクセントになったウェッサイの風を感じるG-Funk調ミッド『Even When U Sleep』、『Stra8 Hustler』、こちらもラップが小気味よく炸裂するミディアム・スロウ『All I Wanna Do』、『Sceamin'』、たしか3rdシングルだったTimbaland+G-Funkな感じの『4 Play』、タイトルから察するにメンバーであるSonshineのソロ曲かな?『Sonshine's Groove』、The Honey Drippers"Impeach The President"使いの『Gangsta's Prayer』、そしてラストもウェッサイの香り漂うミッド『We Got A Good Thing』など、最後まで飽きずに聴ける計13曲を収録。
キーワードは「G-Funk」「ラップ入りのR&B」かな。このあたりを聞いてピンときた人は買って損なしだと思います。リード担当だと思われるSonshineの歌声も、SWVのCokoをパワフルにした感じで個人的には好きだったりします。