安室奈美恵が初期に所属していたレコード会社東芝EMI時代の音源を集めたベスト・アルバム『ORIGINAL TRACKS VOL.1』について。発売は1996年9月でした。厳密に言うとデビュー曲の『恋のキュート・ビート/ミスターU.S.A.』からユーロビート3部作のラスト『Stop the music』までですね。
当時このアルバムってあまり宣伝というかプロモーションされなかった印象があるんだけど、これは僕の勝手な憶測ですが、多分東芝EMIとの契約消化のために発売されたからですよね。avexへの移籍が急遽決まったけど、東芝EMIとの契約がまだアルバム1枚残ってた。なので小室哲哉が手掛けたアルバム『SWEET 19 BLUES』が大ヒット中だった1996年9月に本作をリリース。でも安室サイドはあまり乗り気じゃなかったからアルバム・ジャケットやブックレットも過去の使いまわし…みたいな感じだと思ってるんだけどどうでしょうか?
内容を見ていきます。曲順に関してはデビュー曲から順番に収録されているから気持ちよく聴くことができますね。ていうかこの時代の安室は、SUPER MONKEY'S、SUPER MONKEY'S 4、安室奈美恵 with SUPER MONKEY'S、そして安室奈美恵と、名義がいろいろあってややこしいのが玉に瑕…。「1stシングル、2ndシングルとかどうカウントしたらいいんじゃい」みたいなw
曲については、中盤までが若さみなぎるダンサブルなポップ曲で、それ以降はユーロビート・ゾーンになってます。『TRY ME 〜私を信じて〜』でブレイクし『太陽のSEASON』、『Stop the music』と立て続けにヒットしたので、中盤〜後半については説明不要かもしれませんね。
前半のちょっとアイドルしてる感じの曲については、R&B/HIP HOP路線時代に安室ファンになった人などは拒絶反応が出ちゃうかもしれないけどよく聴いてみて下さい。意外と悪くないですよ?特に安室のボーカル。『DANCE TRACKS VOL.1』のレビューでも書いたけど、小室時代やR&B時代とは違う、若さ溢れるパワフルというかピチピチした歌声と歌い方がとってもいいんですよ。しかもめっちゃ上手いし。10代でこの歌唱力…本当にすごいとしか言いようがないですね。
ということで東芝EMI時代のシングル曲とそのカップリングを集めた全14曲。久しぶりに聴く1枚だったけど、懐かしく楽しみながら聴くことが出来ました。