Tony Toni Tone、Lucy Pearlのメンバーだったことでも知られる多才なシンガー・ソングライター/プロデューサーRaphael Saadiqのソロ・デビュー・アルバム『Instant Vintage』について。発売は2002年になります。僕はRaphaelというと坂本九『上を向いて歩こう』をサンプリングした楽曲『Ask Of You』が好きで思い浮かぶんだけど、そんな彼のソロ・アルバムということで当時わくわくしながら購入したのを覚えてます。
そんな彼の本作のテーマは"ゴスペルデリック"。「なんやそれ」って感じだけど、ゴスペルをルーツにサイケデリック、ファンカデリックの3つが一体となったサウンドなんだそう。う、うん…なんかよくわかんない感じですねw
1stシングルはD'Angeloをフィーチャーした『Be Here』でしたね。豪華コラボによるタイトルを連呼するミディアムで悪くはないけど、ちょっと地味な感じがしないでもないかな。2ndシングルは『Still Ray』で聴いてするわかると思うけどDr. Dre『Still D.R.E. feat. Snoop Dogg』をサンプリング。『Still D.R.E.』好きな人は気に入る可能性大かもしれません。
個人的にお気に入りなのは、Angie StoneとCalvin Richardsonという豪華な2人がゲスト参加したギターリフが印象的なソウル・ナンバー『Excuse Me』、TLCのT-Bozの低音ボイスとRaphaelの甘い歌声が絡む『Different Times』、そしてファンク・バンドNew BirthのLeslie Wilsonの鬼渋い歌声に陶酔必至の『Uptown』あたり。このレビュー書いてて思ったけど、曲数が全20曲とボリューム満点だから、ゲストが参加した曲が味変みたいな感じでアクセントになってて「いいな」と感じたのかもしれませんねw
ということでBabyfaceと似た系統の甘い歌声もいいし心地いい好曲も多数。先述したように全20曲と結構なボリュームだけど、BGM的な感じで聴くと気持ちよく味わえる1枚だと思います。